税理士塩見健二著
出店資金は、大きくみると、物件取得、店舗設備、諸経費の払いに分解できます。
物件取得である設備資金と諸経費の支払いである運転資金は、銀行融資が資金調達候補になります。
設備資金は、その支払いを融資する銀行で振込することになる可能性が大いにあります。
ですので、本社や社長の自宅の近くに支店がある銀行がオススメです。
店舗設備は、銀行融資の他にリース会社も資金調達候補になります。
リースを検討するときの前提は、3つに分類できます。
1つ目は、財務内容が悪化しており銀行からの追加融資が見込めない状況です。
具体的には、純資産額がほぼ0円に近い、投資のしずぎで純資産比率が5%未満といったところです。
このような事業者ですと銀行からの資金調達が困難になることからリースが検討されます。
リースが銀行融資より後回しの理由は、資金調達コストが銀行よりも高いからです。
2つ目は、銀行の与信枠や保証協会の保証枠をあけておきたいときです。
常に売掛金や在庫が生じる商売ですと、これらの与信枠、保証枠を残しておかないと資金が回らなくなるからです。
3つ目は、リース会計基準の適用外しです。
リース取引は、原則としてリース会計基準によって、リース資産とリース負債をBSにオンバランスすることになります。
そうなりますと純資産比率が小さくなり財務内容が悪化します。
リース会計には、300万円以下のリース取引についてオンバランス不要の規定があります。
この規定を利用して純資産比率をよくみせようとします。
リース取引の範囲は、リース物件のみです。
例として店舗をひっくり返したときに落ちるものといわれます。
要は、店舗建物に付属していないものです。パソコン、プリンター、冷蔵庫とかです。
ですので、店舗出店に伴う人員増加による人件費、採用教育費、広告宣伝費等の諸経費はリースに含まれないです。
ということは、その支払いは自己資金となり手許資金が目減りします。
ですので、諸経費の支払い部分は運転資金の融資が必要となります。
リース会社は、独自の与信審査のバーをもうけています。
この会社なら、これぐらいの与信は張れるといったかんじです。
ですのでリース会社の与信審査で満足いくリース金額にたっしない場合は複数のリース会社にリース取引を打診する必要があります。
Aリースにパソコン、Bリースに自動車、Cリースに冷蔵庫といった感じです。
協調リースを検討する場合は、相当財務内容が痛んでいます。
ですので、法人の代表者以外の連帯保証人を求められる場合が想定できます。
協調リースは、リース会社が複数であることから申し込み、審査、着金が単独リースよりも遅れることが検討できます。
ですので、リース物件が必要なときから逆算して2ヵ月前には、リース会社に申し込みをすることをオススメします。
リース債務は、利率に直すと銀行融資に比べると割高な金融サービスです。
ですので、お金に余裕がある、金融機関から真水融資の提案をうけた場合は、このリース債務を繰上弁済も検討すると思います。
ここで注意しないといけないのは、リース債務は、その債務額に最初から利息相当の金額も既に載せられています(アドオン方式)。
ですので、リース債務を繰上弁済するということは、将来の利息分も支払うということになってしまいます。
資金繰りといった財務、税務、会計をオールインワンで解決!
税理士塩見健二著
会社において刑事事件が起こった、行政指導が入った、金銭トラブルが発覚したときの金融機関対応を説明します。
会社においてトラブルが起こったときは、遅かれ早かれ金融機関に知れ渡ります。
ですので、ポイントとしては、会社から金融機関に説明をすることが大切になります。
特に、融資残高の大きなメインバンクには一刻も早く説明し、支援を取り付けることが大切になります。
ここで債務残高が大きいが保証協会のみの融資をしている金融機関は、「当行はメインでない」等と発言することが多いです。
こうなりますと、音頭をとる金融機関が不在なので最悪です。
日ごろから積極的に関与してくれる金融機関と取引することが、大切だなとこういうときに思います。
金融機関に説明するときは、「〇〇が起きた、今後は、こうしていく予定」ということが大切になります。
その後の金融機関の対応は、とりあえず完済して欲しい、債務残高見合いの担保(預金でもOK)が欲しい、メインの移行に従う、支援し続けるのどれかになります。
支援し続ける金融機関は、保証協会に連れて行ってくれたりしてくれるものです。
アクシデントが起こった会社には、なぜか帝国データバンクや商工リサーチからの調査依頼がきます。
どこかの会社がリサーチをかけているのだとおもいます。
リサーチ内容は、特段、踏み込んだヒアリングはないです。
残高の少ない金融機関の場合は、一旦、お金を返して欲しいといわれる場合が多いです。
その他としては、完済が近いので融資額と同額を現金を自行の口座に置いておく、ないしは定期預金にして欲しい、と言われます。
この場合は、信用保証協会付き融資で保全がとれている場合であっても同様のことをいわれる可能性があります。
残高が多い金融機関は、保全状況や関与度合でかわってくるようです。
融資残高がサブの金融機関は、メインの意向に従う、という回答が多いようです。
特段、騒ぐことはないようです。
重要度の度合にもよりますが、金融機関は、動産にまで担保設定をしないです。
ですが、マズイ状態になると一旦なんでも担保にとるようです。
このようなピンチなときに、金融機関の対応をみて何処と取引するか考えさせられるときだとおもいます。
複数の金融機関と取引している債務者は、融資残高の少ない金融機関まで情報共有したくないものです。
そのため融資残高の多い金融機関と少ない金融機関で情報の格差が生じてしまいます。
そこで信用保証協会は、すべての金融債権者に報告するように等と助言をしてくれます。
そのあとに信用保証協会からは、取引のある全金融機関の支援スタンスを教えるように指示されます。
飲酒運転や詐欺行為がテレビ報道された場合は、遅かれ早かれ信用保証協会も知ることになります。
このような反社会的なトラブルを起こした代表者がいる会社に、信用保証協会は保証審査をしないです。
そのため信用保証協会からは、代表者を変えるまで保証審査を進めないと言われることが多いです。
審査再開は、代表者変更が完了した登記簿の提出になります。
だいたい登記簿が出来上がるのに2週間ほどかかります。
企業業績がいいのに、代表者が退職している場合は、会社に問題があるか、代表者に問題があるか、のいずれかになってきます。
金融機関も、ここは経験上で感づくようです。
ですので、新規行と取引するときは、なぜ代表者が退職したのか、と必ずヒアリングしてくるものです。
メイン行で音頭をとってくれる金融機関は、トラブルが解決した段階から新規の融資審査をはじめてくれます。
会社で大きなトラブルがあったときは、トラブルが解決して、かつ、決算申告書を金融機関に提出してから融資審査の再開となります。
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税理士塩見健二著
重要事項説明書は、その不動産の商品説明といった書類です。
そのため、その不動産への融資付けに必要なヒントがたくさん記載されています。
区分マンションは簡単ですが、一棟物、戸建はみるところが多いので大変です。
重要事項説明書の視点から融資に関するレンダー候補の目線付けを説明します。
表紙の重要事項説明書とタイトルが記載されているページです。
右側にFRKの文字が入っていると細かい仕様の契約書だとわかります。
大手の不動産業者が仲介に入る場合はこの書式が利用されています。
土地で重要なのは、測量図面です。
測量図、確定測量図にチェックが入っていたら金融機関に資料を求められます。
金融機関が何も言わない場合は、資料徴求を知らない可能性があります。
土地の測量は、不動産の担保評価の増減に直結します。
民民測量は、隣地所有者と確認するだけのため、そこまで時間を必要としないです。
隣地所有者と地積で係争する場合は、弁護士に丸投げになります。
官民測量は時間がかかります。
行政に申し込んでから2~3ヵ月後に測量になります。
不動産の表示の建物のところに・余白と記載されず文字がたくさん書いてあるとバッチリ違法物件の可能性大です。
この時点でノンバンクからの資金調達がほぼ確定します。
是正工事をして尊法性を確保、解体土地売り、解体開発再販売のプロジェクトは違反物件でも問題になりずらいです。
占有に関する事項 第三者による占有で有か無かで話がかわります。
占有者有りのプロジェクトは、立退きさせて実需で再販売する、オーナーチェンジ、立退後に解体が多いです。
立退き費用が、自己資金なのか、銀行負担なのかは、担保価値と債務者の財務内容によります。
財務内容がいい債務者は立退き費用も金融機関が負担してくれます。
立退きが関わるプロジェクトをそもそも融資しないという金融機関は、あります。
オーナーチェンジのプロジェクトは、初回取引からだと敬遠される金融機関があります。
オーナーチェンジは、そもそも不動産に加工を加えてバリューアップしないため投機と判断されてNGの金融機関もあります。
占有者無しの場合は、リフォーム再販売、解体土地売り、入居者を付けて利回り商品可といったプロジェクトが多いです。
特段、融資付けで問題になるプロジェクトは少ないです。
私道(位置指定道路)が含まれている場合は、水道管、ガス管の埋設資料を求められる可能性があります。
これらの配管が第三者の土地に埋設されていないかチェックしたいためです。
区域区分は、都市計画区域の市街化区域以外だとノンバンクが資金付けに難色をしめす可能性ありです。
そんな田舎を買って売れるの?とみてしまいます。そもそも担保評価が伸びないです。
用途地域は、その指定されたエリアで営むことができる事業に縛りを設けています。
不動産に問題はなくても入居するテナントに問題がある場合があります。
建築基準法に基づく制限で余白部分に文字が書かれていると必ず読みます。
違反物件の場合は、バッチリ違反物件である旨が記載されています。
敷地等と道路の関係はセットバックが記載されていると担保評価減になります。
セットバックは、隣地を買い占めたらセットバック無しになる可能性もあります。
建築確認、検査済証が発行されているかを確認します。
建築確認すらとっていない不動産は、銀行からの融資をあきらめます。
検査済証はなくても台帳記載事項証明書で代用できます。
平成10年位までに建築された不動産は、検査済証をとっていないものがほとんどです。
いわゆる、がけ地が近くにある場合やがけ地である場合は、ここにチェックが入ります。
積算評価が伸びて、かつ、表面利回りがいいのでお買い得な不動産のようにみえます。
ただ、がけ地は担保評価で大幅な評価減がなされます。
そのため融資が伸びないです。
古い建物の場合は、建材にアスベストが塗布されていることがあります。
アスベストが利用されている建物を解体するときは、解体コストが高くつくことが考えられます。
解体費用は、自己負担なのか、銀行負担なのか確認が必要です。
旧耐震の建物の場合は、銀行が融資NGの場合が多いです。
旧耐震の建物における資金調達先の目線は下記のようになります。
手付金が売買価格に対してあまりにも少ない場合は、ブレイクする可能性を疑われます。
手付金は、自己資金という金融機関が多いです。
備考欄には、水没状況、違反状況、権利関係の不具合について書かれていることがおおいです。
重要事項説明がいらない不動産取引は、下記のとおりです。
このような場合は、銀行が融資に難色をしめす場合があります。
資金繰り、財務、税務をオールインワンで解決!
建築業特有の融資について説明します。文字数は、約4,846です。
建築業は、工事代金の支払いに遅行して入金することが往々にあります。
工事代金の入金のタイミングは、下記が多いです。
・引き渡し完了後
・工事受注時に前金、工事完成後に残代金
・頭3、中間3、残金4
・頭10、中間10、残金80(テンテンパーと言ったりします。)
これは建築主との交渉で入金のタイミングがかわってきます。
建築主は、銀行からなるべく支払いは遅くするように言われます。
建築会社は、工事代金の入金が後になる工事ほど、工事代金の支出が先行し資金繰りが厳しくなります。
どのようにすれば、資金繰りが厳しくならなくて済むのでしょうか。
建築業者の手許資金の増やし方は、運転資金の融資をうけることに限ります。
ずばり審査が緩いのは、日本政策金融公庫の一般貸付や特別貸付になります。
特別貸付とは、創業、事業承継、コロナ等の特別な事情による貸付です。
日本政策金融公庫の融資条件を説明します。
日本政策金融公庫は、財務省が株主の特殊法人です。
ですので、貸出金の原資は税金となります。
だから、融資審査が緩いのです。
日本政策金融公庫の融資の特徴は下記のとおりです。
融資量の目線は、年6ヵ月を目途に提案がなされます。
支店決済での上限は4,800万円でこのバーまでだと審査が緩いといえます。
返済期間も通常の運転資金ですと7年弁済(※1年以内等の短期資金は取り扱っていない)です。
融資審査の特徴としては、過去6ヵ月分の通帳の原本を提出する必要があります。
過去に家賃や携帯電話の滞納がありブラックリストに載っていたとしても完済していれば融資審査への影響は軽微といえます。
日本政策金融公庫の審査は、対応する人によって審査の難易度がかわってきます。
これは審査が人の思考が介入する以上しかたないです。
信用保証協会の保証協会付きの民間金融機関からの融資です。
民間の金融機関の融資に信用保証協会が信用保証をするという仕組みです。
これにより金融機関の融資が焦げ付いたとしても信用保証協会が融資の完済を保証してくれるため金融機関が安心して融資実行をしてくれます。
民間金融機関は融資残高を伸ばしたいものです。
ですので、資金使途がない運転資金であったとして保証協会付なら積極的に融資支援の提案をします。
信用保証協会の保証は、上記の日本政策金融公庫よりも厳しい審査になります。
信用保証協会の保証の特徴は、その地域の行政が保証商品を開発します。
この産業に金融支援が必要だ、という政策目標があります。
ですので、地域ごとに保証商品、保証条件等のラインナップが異なってきます。
最後に、信用保証協会も日本政策金融公庫と同様に人が審査をします。
どうしても審査に厳しい、緩いがでてきます。
ですので、決算期ごと等で審査にチャレンジしていくことが大切になります。
東京サポートプラス融資(オリックス)は、東京都、オリックス、民間金融機関の3社で提供されている融資になります。
融資上限額は、3,000万円となっています。
利用できる銀行、信用金庫は限定されています。
ですので、その金融機関と取引していないと利用できないサービスになります。
この商品の注意点は、利用しようとする金融機関とすでに12ヵ月以上の融資取引があることです。
この融資枠の注意点は、下記の東京サポートプラス融資(全国しんくみ)を利用していると利用できなくなります。
東京サポートプラス融資(全国しんくみ)は、東京都、全国しんくみ(再保証:オリコ)、民間金融機関の3社で提供されている融資になります。
融資上限額は、3,000万円となっています。
利用できる信用組合は限定されています。
ですので、その信用組合と取引していないと利用できないサービスになります。
この商品の注意点は、利用しようとする金融機関とすでに12ヵ月以上の融資取引があることです。
この融資枠の注意点は、下記の東京サポートプラス融資(オリックス)を利用していると利用できなくなります。
このオリックス保証付融資を利用できる金融機関が限定されています。
保証枠は、オリックスと金融機関との取り決めにより2,500万円であったり、5,000万円であったり異なってきます。
保証枠の他にも保証料なども個々の金融機関によってかわってきます。
オリックス保証は、その利用しようとする金融機関と初回取引から利用できます。
大東京信用組合の独自融資に、大信ビジネスローンがあります。
大東京信用組合は、東京都内で広い支店網を有しているため比較的にこのローンを利用できる事業者も多いです。
オリコが保証している商品になります。
こちらの融資条件は、上限1,000万円、固定金利、5年となります。
支出が先行して入金があとになる工事は、材料費、人件費、その他の雑費について銀行の融資対象となります。
そこで建築業者は、銀行に対して工事契約書を銀行に提出して、工事の存在を証明して自社の振り出した手形を銀行に引き受けてもらい融資をしてもらいます。
この手形貸付の仕方は、3つあります。
銀行のプロパー(※プロパーとは無担保、第三者保証無しという意味)融資
信用保証協会の保証付きの手形融資
ノンバンク(アルトア等)の短期間のつなぎの手形融資
財務内容がしっかりしているところは、プロパーになります。
財務内容がプロパーの基準にのらないと保証協会付きになります。
当座貸越の極度枠の設定です。
こちらは特段、手形を振り出さずに極度枠の範囲で何度も融資の実行、完済をすることができるものです。
銀行に当座貸越の極度枠を設定するには、ある程度の財務内容による信用や担保となる不動産や有価証券が必要になってきます。
当座貸越の極度枠を設定した場合は、決算書の提出後に極度枠の改定(見直し)が行われます。
極度枠は、赤字であったり、債務超過になるとお取り崩しになることもありえます。
当座貸越を利用した場合の融資の着金は、申込から2週間ですので非常にスピーディです。
銀行に当座貸越の極度枠を設定するだけでなく、信用保証協会の根保証を設定することもできます。
こちらは銀行の当座貸越の極度枠の設定よりも審査が緩いです。
ですので、銀行の当座貸越の極度枠を設定できなかってもこちらの根保証の極度枠を設定してもいいとおもいます。
申込から着金までは、信用保証協会の保証審査と銀行の与信審査があるため銀行の当座貸越融資よりも着金が遅くなり、3週間も見ておけば大丈夫です。
全自動で会計業務をしてくれるfreeeが人気です。
このfreeeを利用している事業者向きのサービスとして資金調達もあります。
freeeは、ルーチンな入出金に強いソフトです。
プロジェクト毎に入金や出金が異なる建築業の場合は、freeeを利用することが不向きになる可能性があります。
上記に解説させていただきました当座貸越の極度枠の設定のために自宅や工場等の不動産を担保する場合があります。
この不動産担保による融資のポイントは、なるべく一番抵当権者の融資枠を大きくすることに限ります。
そこで一番抵当権者の融資枠を大きくする借換方法を2パターン説明します。
不動産の評価額は、各金融機関によって異なりますが下記の順位で不動産の担保評価が伸びていきます。
担保評価が伸びていく順番で、メガバンク、地方銀行、信用金庫、信用組合です。
ですので、不動産担保融資は信用組合に抵当権を設定することがポイントになってきます。
これは各金融機関グループで担保評価が異なるからです。
メガバンクは、いわゆる積算評価という辛目の評価で担保物を評価します。
これに対して、信用組合は実勢取引価額で担保評価をしてきます。
東京都内ですと、この積算評価と実勢取引価額に大きな差額が生じています。
この場合は、後順位抵当権者の担保評価について、先順位抵当権者の担保評価を厳しくみます。
具体的には、極度枠×120%を担保評価から控除していきます。
ですので、後順位抵当権者か先順位抵当権者に借り換えをして融資をまとめた方が担保評価が伸び結果して融資額が伸びていきます。
よくあるのが、2番抵当権設定者がノンバンクです。
ノンバンクからの提案は、1番抵当権設定者の融資を弊社で肩代わりさせてもらえましたら融資がまだだせます。といったものです。
注意しないといけないのは、2番抵当権(後順位抵当権)を設定するときです。
民法上は、特段に1番抵当権者の許諾の必要性を法定していないです。
ですが、実務ですと1番抵当権者の了承を得て2番抵当権の設定をします。
リースは、車両、パソコン、コピー機等とさまざまなものが対象となります。
リースを利用することによって銀行融資の与信枠や保証枠を残しておくことが可能になります。
リースは、銀行融資よりも金利負担が大きいサービスになります。
リース取引の特徴は、繰上弁済しても、しなくてもリース会社に支払う総支払額が同じということです。
建設業は、連鎖倒産や黒字倒産が多い業界です。
これは過小資本の割に大きな金額を扱い、かつ、掛け取引が多いためです。
この工事に関する融資手法は、いずれも契約書以外に、下記の資料が必要になります。
試算表、請負工事現況表、借入残高表です。
試算表は、足元の数字の確認です。
現状が赤字でも将来が黒字にできる説明ができればOKです。
できれば融資申込の前月までのデータがあることがベストです。
請負工事現況表は、決算着地や今後見込まれる粗利益がわかります。
この資料は、末尾の金額と試算表の数字が合致していないとマズイです。
建築業者が作成するこの資料は、ほぼ100%合致していない書類を銀行に提出しています。
借入残高表は、同業の金融機関の貸し出し条件や融資姿勢を確認するための資料です。
貸出条件は、主にプロパーなのか信用保証付なのかや融資残高を減らしていないかとかです。
融資残高が明らかに減少している銀行があれば、自行の知らない情報をもっているのでは?と勘繰ります。
借入残高表も試算表の数字と合致しているものを提出します。
銀行融資は、上記の日本政策金融公庫や信用保証協会付き融資ですと会計資料を提出すれば何とかなるパターンが多いです。
そのためタイムリーな資料を対金融機関用で作成するのは一手といえます。
親方が高齢のために、スタッフが事業を引き継ぐことになったという事例はよく聞きます。
このときに親方へは、事業会社の株、工場設備、不動産、材料、親方の退職金見合いで事業承継(M&A)が行われます。
この事業承継(M&A)資金も日本政策金融公庫と信用保証協会の保証で用意されています。
日本政策金融公庫は、事業承継・集約・活性化支援資金が用意されています。
この融資は、事業承継がされることに対する資金を融通します。
融資内容は、最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。
返済期間も最長設備20年、運転7年となっています。
このような政策目的でもある融資は、通常の融資審査よりも緩い傾向にあります。
東京信用保証協会の保証は、事業承継サポート保証を用意しています。
こちらは、会社の株式の買収が資金使途となっています。
こちらも政策目的での保証ですので、通常の保証審査よりも緩い傾向にあります。
資金繰り等の財務、税務、会計をオールインワンで解決!
日本政策金融公庫より、ウクライナ情勢や原油価格上昇等により影響を受けた事業者向けの融資商品が発売されました。
今回は、この融資の内容を説明します。
この融資は、いわゆる日本政策金融公庫のセーフティネット貸付といわれるものです。
正式名称は、経営環境変化対応資金といいます。
過去の類似の商品としては、リーマンショック、東日本大震災、消費税増税、コロナウイルスのときに発売された融資商品になります。
この融資は、一般貸付と別枠扱いになっており、その融資上限額が4,800万円となっています。
融資の使い道は、運転資金、設備資金のどちらでもOKです。
運転資金は、赤字補填資金の意味が強いと考えられます。
設備資金は、新しい設備の導入で燃費のいい機械の導入なのでしょう。
返済期間は、長めになっており、かつ据置期間も付されています。
運転資金は8年で据置3年です。
設備資金は、15年で据置3年です。
この融資商品の適用要件の特徴を下記となっています。
この融資が利用できる前提は、社会的な要因で一時的な赤字になっているけど、それまでずっと黒字であり、今後も黒字が見込める事業者であることです。
すなわち、一過性の赤字の説明が必要になります。
そして、決算数値の要件は6つに分類でき、いずれかに当てはまればOKです。
①売上高が前年等と比して5%以上減少していること。
単純に、売上が下がっているといった簡単な理由です。
②経常利益率が前年等と比して減少していること。
想定は、原油価格の高騰等により売上原価等が増加して経常利益率が悪化したことが想定できます。
③売掛金や在庫の資金回収サイクルが1月以上遅れていること。
販売先からの入金の遅れや石油製品の仕入れができなくなり生産ラインが稼働せず在庫がたまっていることが想定できます。
④赤字幅が減少傾向にあること。
前期に大きな赤字を計上した事業者が想定できます。
⑤利益剰余金等よりも繰越欠損金が大きくなっていること。
順調に利益を積み増していただけ一過性の大赤字を計上した事業者が想定できます。
⑥債務償還年数が15年を超えていること。
借金は多いが利益が小さくなった事業者が当てはまります。
債務償還年数が10年を超えると民間金融機関や保証協会も追加支援を躊躇するので、この要件はありがたいです。
税理士塩見健二著
融資には、極度枠をあらかじめ設定して必要なときに借りたり、返済したりするサービスがあります。
この極度枠を設定する融資には、コミットメントライン型とアンコミットメントライン型があります。
アンコミットメントラインとは、当座貸越のことです。
プレーンな融資手法は、金融機関と事業者で長期の証書貸付契約をして毎月約定弁済をしていくものになります。
この手法ですと、常に金融機関からお金を借りているため、事業者は毎月固定的に利子を支払う必要がでてきます。
事業者の中には、使いたいとき(資金ニーズ)にだけお金を借りて、なるべく利子払いを圧縮したいと考える方もいます。
事業者の使いたいとき(資金ニーズ)は、下記のとおりです。
①季節資金
②突発的な売掛金や在庫
③本税の納税
④中間法人税の納税
⑤賞与
⑥採用教育
これらの資金ニーズは、短期的に手許資金が減少しますので短期融資で事足ります。
そこで事業者は、金融機関との取り決めをして3000万円、5000万円といった極度枠を設定します。
この極度枠の範囲で、上記のような資金ニーズに対応します。
着金までの期間は、金融機関であらかじめ与信審査がなされているため申し込みから着金まで2週間がイメージです。
上記のような短期の資金ニーズ以外の利用のされ方としては、工期の長い設備やレジ、オフィスなどの開発にも利用されます。
余談ですが、開発資金の融資の仕方は、極度枠を設定するのか、毎度手形をきるかは、融資する金融機関によって異なります。
金融機関としては、お金を借りてもらわないと利息売上が計上できないです。
そのため特段、資金使途を気にせずベッタリと極度枠ギリギリまでお金を借りてもらおうとします。
アンコミットメントラインで、ずっとお金を借り続けた場合は金融機関より一旦、お金を返済して欲しいと言われます。
イメージですが、数年借りっぱなしになると一度返済して欲しいといわれます。
過剰債務に苦しむ会社で極度枠を設定しているところは、どこも目一杯借りています。
極度額は、決算明けに改定がなされます。
特に担保がない場合は、業績連動で大幅に減額される場合があります。
不動産等の担保がある場合は、無担保よりも審査が緩いため大幅な極度枠の減額がないです。
不動産等の担保がない場合であっても信用保証協会の保証で極度枠を作ることも可能です。
この場合は、上記の担保がない場合と同じで極度枠が決算の度に改定がなされます。
コミットメントラインとアンコミットメントラインの違いは、2つあります。
①融資するか否かの判断
アンコミットメントラインは、融資を申し込まれた金融機関の融資を断ることができます。
ですので、急激に業績が悪化した場合等は、融資謝絶の可能性もでてきます。
コミットメントラインは、融資を申し込まれた金融機関に融資を断ることができないです。
②手数料
アンコミットメントラインの枠を設定しても手数料はかからないです。
ですが、コミットメントラインでは、枠に対して、いくらという手数料が発生してきます。
これは前述したとおり、融資を申し込まれた金融機関に融資を断ることができないことに由来しています。
資金繰り、財務、税務をオールインワンで解決!