コロナ禍、ウクライナ危機、円安によって債務超過に陥った会社がおおいです。
そこで債務超過の会社であっても複数の生命保険会社を利用して保険契約をしていく方法を説明します。
保険契約は、下記の分類で契約を分解することができます。
ですので、そこまで難しい金融商品でないです。
保険の掛け方を、掛け捨てにするか、積立にするのか。
保険料の受取りは、変額にするか、定額にするか。
保険料の受取通貨は、円建てか、外貨建てか。
保険料に対しての保障内容は各保険会社によって違いますので自分にあった保障内容の保険会社を選べば大丈夫です。
保険会社は、長いこと契約してもらった方が喜ぶものです。
ですが、保険契約は、資金繰り、黒字対策のために解約することがあります。
そこで契約解除されてはマズイ期間も存在します。
具体的には、契約日から2年以内の解約は保険営業マンに保険会社からペナルティがくるので嫌がられます。
やはり、できれば4年以上の契約を求められます。
債務超過の会社の場合は、原則として生命保険契約ができないです。
保険料という固定費が運転資金を圧迫するため保険より先に事業の立て直しという考え方があるからです。
ですが、一定額以下の保障額の場合は生命保険会社に決算書の提出が不要です。
ですので、複数の生命保険会社に少額ずつ保険契約をした場合は満足いく保障額が可能になります。
相続対策として、よく用いられる手法である疑似DESの実務を説明します。
DESとは、dept eqity swapの略で日本語に訳すと負債の資本化です。
要するに、借金を資本金に変えるということです。
相続対策で考えるのは、被相続人の財産に対して相続税が課税されます。
被相続人が一人株主の一人社長である場合は、被相続人のお金は、会社に資本金か役員借入金として処理されています。
この資本金と役員借入金の相続税の計算はつぎのようになります。
資本金は、財産評価基本通達における株価算定式に基づいて評価される。
株価ですので、会社の状況によって出資額以下の評価にもなります。
役員借入金は、財産評価基本通達における債権として評価される。
弁済が可能な債権として評価するので、債権額で評価されます。
基本的に、債権額よりも株価の方が評価額安くなる傾向にあるため疑似DESを検討します。
疑似DESは、主に2つの方法があります。
それは役員への返済原資で分けられます。
一つ目は、会社の手許資金で役員に一旦、返済して、その後に、再度役員が増資する方法です。
二つ目は、会社の手許資金を利用せずに金融機関から役員の借入金の肩代わり資金を融資してもらい、そのお金を、役員に返済して、その後、再度役員が増資する方法です。
このやり方は、金融機関の返済原資が課題となります。
どうやって返済していくのかが明確にならないと融資実行が難しくなります。
疑似DESの税務上の効果は主に3つあります。
一つ目は、資本金の額の増加に伴い登記するときの登録免許税が課税されます。
増資額の全額を資本金とせず資本準備金とした場合は、資本準備金部分に登録免許税が課されないです。
二つ目は、地方税の均等割が増税になる可能性があります。
均等割の一つのバーが資本金1000万円になります。
この均等割の判定基準日は、事業年度の末日となります。
三つ目は、株価算定です。
資本金等の額が大きくなることによって純資産価額が増大します。
ですので、債務超過の会社は、株価算定上の比準要素が増えることによって株価が下がる可能性がありえます。
債務超過であっても融資支援が継続される会社について説明します。
債務超過に陥った場合は、金融機関の支援だけでなく生命保険への加入拒否や事務所、社宅の引越審査にも影響を及ぼします。
ですが、債務超過の原因が一過性であることを説明できた場合は金融機関も継続支援をしてくれます。
一過性の原因としては、最近ですとコロナ禍による売上の激減ですし、その他にも災害等での特別損失や事業撤退があります。
一過性の損失原因を各勘定ごとで説明することにより正常時の固定費がいくらなのかを説明することが大切になってきます。
債務超過は、一過性のものであると金融機関に説明して次の段階で、いつごろまでに黒字化、資産超過になる予定なのかがきかれます。
一つの目安としては、5年以内に資産超過が一つの指標になってきます。
ですので、いくらの固定費を削減して、いつまでに黒字化して、いつまでに資産超過になるということを簡単なレポートでまとめたらOKです。
エクイティファイナンスの方法としては、借り換えと純増の2パターンがあります。
借換というのは、DES、疑似DES、資本性ローンの3パターンです。
DESは、借入金勘定を資本に振り替える処理です。
疑似DESは、会社にあるお金を一旦貸主に返金して、その後に出資として入れなおしてもらう処理です。
資本性ローンは、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫のローンを資本ローンという特別なローンに借り換えのことをいいます。
資本性ローンは決算書上だと負債としてカウントされますが、信用保証協会の保証審査上だと純資産とみてくれるローンになります。
次に純増を説明します。
これは第三者割当増資か債務超過の会社の株をスポンサーに引き受けてもらうオーナーチェンジかのいずれかです。
第三者割当増資は、第三者から資本出資をうける方法になります。
これらの方法は、店舗や工場といった売上がみこめる固定資産があることが前提になります。
事業撤退しまくって資産をもたず借金だけ残っている会社は、第三者からの支援をとりつけるのが困難と思ってもらって大丈夫です。
エクイティファイナンスの場合は、出資割合に変動がおこりえるため既存株主の同意も必要となってきます。
スポンサーに引き受けてもらう方法は、スポンサーの財務力をいかして債務超過の脱出を図る方法になります。