公簿売買取引は、実測売買取引と違い土地の境界が確定していないため様々なリスクを内包していますが安価に取引される傾向にあります。
公簿売買取引のリスクの一つとして融資付けがあります。
官民測量と民民測量
土地の境界が確定しない類型としては、官と民、民と民があります。
民と民は、売買の対象となる土地の所有者とその隣地の私人の所有者との間で境界線が明確化されていないものです。
民と民とで境界について合意した場合は、民民測量を行います。
官と民は、売買の対象となる土地の所有者と道路の所有者の官との間で境界線が明確化されていないものです。
官と民の場合は、民民測量よりも境界を確定させるのに時間がかかります。
概ね2ヶ月は見ておいた方がいいです。
適正な担保物
レンダーは、担保価値の範囲でしか融資をしないものです。
実測売買取引の場合は、隣地との境界が確定しているため適正な土地の大きさがわかるため担保評価もぶれないものです。
ですが、公簿売買取引の場合ですと、隣地との境界が確定していないため適正な担保価値が求められないです。
ですので、若干ですが実測売買取引よりも辛目の担保価値評価とみた方がいいです。
金融機関の対応
公簿売買取引の場合は、金融機関によって融資謝絶になるのか、担保としてみるのかは対応がまちまちになってきます。
融資謝絶になるのは、上記②の適正な担保物で理由をしめしたとおりです。
安全な融資付けという観点からみると融資打診の時点で公簿売買である旨をレンダーに説明しておくべきです。
金融機関が担保としてみるのかは、融資実行後に境界を確定させるのか、その不動産の利用目的(※実需、利用、収益)等によって対応がかわってきます。
広い土地の収益物件でしたら再建築したときのボリューム計算にも影響がでないです。
ですが、都心のビルですとボリューム計算にも影響がでるので金融機関もシビアにみてくるものです。