収益不動産融資の変遷
2017年頃は、いわゆるサラリーマン大家といわれる金融機関のフルローンを利用した地方の高利回り収益不動産がブームになっていました。
ところが、スルガ銀行のカボチャの馬車問題が発生してから融資審査は、厳しくなりました。
2021年時点は、この金融機関の収益不動産へのローン審査も以前として厳しいといっていいです。
今日は、この審査が厳しい時点での収益不動産のローン審査の目線を説明します。
債務者の属性審査
ずばり、収益不動産を保有する場合の債務者の年収は、1,000万円以上が一つのバーとなっています。
ただし、この年収1,000万円のバーは、自己資金でも買えるようなワンルームマンションは当てはまらないです。
その他の審査ポイントは、すでにある借金の有無です。
よくあるのは、住宅ローンを組んでいたり、自動車ローンを組んでいる場合はマイナス評価となります。
これは返済するローンが多ければ、自己資金でローンを返済するはめになったときに返しきれるかをみたいためです。
収益不動産の収支面での審査
収益不動産の収支面での審査は、各金融機関によって異なってきます。
担保評価の目線が厳しいところでは、積算価額を多く評価にいれますし、目線が緩いところでは、収益価額を多くひゅうかにいれます。
今回は、収益価額でみるときの融資額の目線にフォーカスをあてます。
収益価額の上限は、ストレスをかけた想定賃料×0.7(※掛け目をいれるのは、家賃の下落率や空室率を考慮するため)に近隣相場利回りで割り戻した価額です。
ほかのストレスのかけ方は、屋上防水、外壁塗装、エレベーターの交換といった大規模修繕もストレスをかけた賃料で賄いきれるかもチェック対象となります。
もう一つの審査で重要な指標は、DSCR120%超です。
DSCR(デッドサービスカバーレシオ)は、融資の返済額に対する手残り額の割合です。年間返済額100万円なら手残り120万円ならOKということです。
このDSCRは、融資額と返済期間で数字がかわってきます。
返済期間は、各金融機関によってかわってきます。
厳しいところは、税務上の法定耐用年数▲10年ですし、ゆるいところは法定耐用年数+10年もあります。
その他に、一定の地域のみ耐用年数越えOKという金融機関も存在します。
ここの情報は、足で稼ぐしかないです。
担保割れてしても審査の土台にのる場合
今の不動産価額は口頭しているため、なかなか収益不動産だけで審査が通りずらいといえます。
そこでみるのが、債務者の属性です。
少々、収益不動産で担保割れを起こしていたとしても属性がよければ融資審査が通ったりもします。
ここでいう属性がいいというのは、下記のような債務者をいいます。
イ 手許資金が多い
ロ 担保余力のある不動産を保有している
ハ 職業が、公務員、上場会社勤務、士業