企業が保有する一棟社宅や学生寮を買取再販売する場合は、その売り方として、そのまま別の企業に一棟社宅として販売する、賃借人を埋めていって利回り商品として販売する、区分登記をして区分マンションとして販売する、と多様な販売手法が考えられます。
今日は、賃借人を埋めていって利回り商品として販売する場合のプロジェクトファイナンスの組み方を説明します。
プロジェクトの特徴
一般的な不動産の買取再販売のプロジェクトファイナンスは融資期間が12ヶ月でなので、その期間で販売まで行います。
今回のような全空物件に賃借人をつけて利回り商品として販売する場合は、リフォーム、賃借人の客付け、販売と工程になります。
この賃借人の客付け数が多い物件ですと12ヶ月の融資期間で販売までできないです。
ですので、融資期間を18ヶ月や24ヶ月といった長い期間を設ける必要がでてきます。
レンダーの選定
レンダーは、銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンクで対応可となっております。
ただ、銀行は一部に限られます。
信用金庫、信用組合、ノンバンクは12ヶ月以上の融資期間であったとして特段問題にならないです。
当然ですが、一般的な12ヶ月で仕入れから販売までするプロジェクトと異なるため融資審査が厳しくなっていきます。
事業者の財務内容や取引実績で審査の難易度は上下していきます。
全空物件は金融機関の担保評価がのびないです。
ですので、信用保証協会の有担保保証を利用して担保評価を伸ばすことも検討した方がいいです。
審査に必要な書類リスト
上記②で説明したとおり、融資審査が厳しくなるプロジェクトとなります。
そこでレンダーから求められる資料リストをコーポレートとプロジェクトの視点から説明します。
コーポレートの資料は以下のような資料になります。
決算着地予想、試算表(※できれば申込月の前月までできている)、今後の仕入見込予定表、在庫一覧表、借入残高表、販売実績一覧表、資金繰り表となります。
プロジェクトの資料は以下のような資料になります。
事業計画書、時系列のスキームチャート、あとは一般的なプロジェクトの資料