ソルトルック株式会社/塩見健二税理士事務所
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コーポレート 2020.05.11
  • 金融機関の選定(レンダーフォーメーション)の実務

コーポレートファイナンス(事業者向け融資)のどのように金融機関とどのように取引すれば自社にとって得なのかを説明します。

目次はつぎのとおりです。

融資取引の分散

金融機関との融資取引は、どのようにすればいいでしょうか。

ひと昔までは、メイン行一本がいいとか言われいました。

現在ですと書籍等を読んでいますとメイン2行サブ2行がいいといった複数行との債務の分散をすすめています。

このような金融機関との取引方針、選定の仕方をレンダーフォーメーションといったりもします。

筆者は、以下の3点より複数行、とくに制限なく、よりたくさんの金融機関と取引することを推奨しています。

1つ目は、リファイナンスリスクです。

これは、金融機関や支店の判断が人事によって刻々とかわっています。

ですので、運転資金や新発の設備資金のときにネガティブな対応をされる可能性があるからです。

このネガティブ対応に対処する方法として沢山の金融機関と取引することに他ならないからです。

2つ目は、金融機関の独自商品です。

金融機関でオーソドックにどこも取り扱っているのは、プロパー融資と信用保証協会付きです。

ですが、世の中には、その金融機関のみの融資というものが存在します。

東京都にある金融機関の独自の融資ですと、オリックス保証、オリコ保証、オリックスと保証協会が協調する保証等です。

その他にも専ら不動産担保ローンしかやっていないといった金融機関もあります。

金融機関と子会社のキャピタルからの資本性の強い資金も存在します。

政府系ですと資本性ローンもあります。

3つ目は、金融機関単独での融資リスクが存在することです。

これは事業者が8000万円の追加の要資事情があるにもかかわらず金融機関がはれるリスクの上限が5000万円であった場合は、5000万円しか融資が伸びないです。

このようなときに複数の金融機関と取引していれば、例えば、A行3000万円、B行3000万円、C金庫2000万円といった感じです。

4つ目は、資金使途の用途です。

金融機関は、各々で審査の仕方や融資判断がかわってきます。

例えば、設備資金しか対応できない、運転資金は業種柄みれない、業績よければ運転でもいいよ、不動産担保ローンしかやっていない等です。

担保物としてみれるかみれないかも金融機関によってかわってきます。

代表的なのが、商品在庫、売掛金、敷金といったものです。

商品在庫、売掛金はABLといった特殊な融資で全ての金融機関で対応している訳でないです。

敷金も同じです。敷金に対して質権を設定して担保としてみます。

敷金への質権設定は担保の目減りが生じるリスクがあるため民間の金融機関は嫌がるものです。

財務内容

事業者の財務内容によって金融機関数は増減します。

財務内容がよく利益がでているときは、どんどん金融機関を増やしていきます。

金融機関を増やす理由は、一番の目的は、保証協会の保証や有価証券、不動産といったプロテクト無しの融資枠を増やすことです。

利益をだしている会社は、どんどん設備投資をしていくため信用の力をマックスまで使おうとするので融資枠が重要となってきます。

逆に、財務内容が悪化してきている会社は、金融機関数が減少していきます。

とくに少額しか借りていない金融機関は、リファイナンスせずに債務を完済したり、一括弁済したり、他行に肩代わり資金をだしてもらいます。

理由は簡単でリスケするときに金融機関の数を減らした方が楽だからです。

たくさんの金融機関があればあるほど話がまとまらないものです。