ソルトルック株式会社/塩見健二税理士事務所
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事業再生 2020.02.28
  • 再生目線の不動産担保ローンの実務

2年以上の連続赤字の会社に対する融資実務を説明します。

信用保証協会の無担保枠

赤字の会社の特徴は、赤字+借入金の返済で急激に手許資金が減っていきます。

それが2期以上の連続赤字となると常に赤字補填の融資をうけたとしてもすぐに手許資金が赤字と返済で溶けてしまいます。

そのような会社に対しての保証協会の対応は、銀行審査よりも緩い保証協会の審査も厳しくなりがちです。

とくに黒字化の目途がたたない企業に対する信用保証協会の無担保枠の利用は保証謝絶ということもあります。

このような信用保証協会の保証支援がうけれなくなった局面において不動産担保ローンの検討が必要となってきます。

 

金融機関からの不動産担保ローン

銀行、信用金庫、信用組合といった金融機関からの不動産担保ローンのスキームは大きく分けて2種類あります。

1つ目は、金融機関が不動産に抵当権を設定してプロパー融資を実行するパターンです。

2つ目は、1つ目と同様に金融機関が不動産に抵当権を設定して、さらに保証協会に有担保枠の保証を承諾してもらうやり方です。

どちらのやり方を利用するかは、金融機関の判断となります。

不動産担保だけの方がやりやすいという金融機関の方が多いイメージです。

金融コストは、保証協会の有担保枠を活用したスキームの方が金利の他に信用保証料も支払うため割高となります。

 

事業再生ファンドからの不動産担保ローン

事業再生ファンドを活用する場合は、いくつかの条件をクリアする必要があります。

1つ目は、BSは、ボロボロだけど、赤字事業を切り離すことにより黒字化がみえている。

2つ目は、計画段階で5年後には民間の金融機関に借換えによって再生ファンドの資金回収が図れる。

3つ目は、金融機関が支援することを表明している。

4つ目は、1億円以上のロットがはけること。

こんなところです。

資金使途は、リストラ資金、撤退資金といったところです。

事業再生ファンドの特徴は、不動産担保の見方です。

銀行融資の場合は、積算価格でみてしまうため融資が伸びないということもあります。

ですが、事業再生ファンドの場合は、実勢価格を加味するなどして融資が伸びるといった点が挙げられます。

 

ノンバンクからの不動産担保ローン

ノンバンクからの不動産担保ローンは、不動産の評価を厳しめにみます。

ただ、リスケであって返済目途がたたない状況であっても融資審査をしてくれます。

このときの融資スキームでよく利用するのは、一番抵当権者の融資残高もノンバンクが丸のみする借り換えになります。

丸のみすることによって担保評価を増加させて、融資量を増やせるからです。