ソルトルック株式会社/塩見健二税理士事務所
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事業再生 2019.10.31
  • 減価償却費を融資審査の観点でみてみました。

減価償却費を融資の観点で説明します。

銀行員さんの減価償却費の見方

そもそもですが、減価償却費とは、企業会計において大型の投資は、その支出時に費用処理せず、その耐用年数に応じて費用化処理することを減価償却費といいます。

中小企業の場合は、税務上で決められた耐用年数で減価償却費を計算します。

これは、税務上の減価償却費を利用しないと法人税の計算過程で、別表調整という手間が生じるためです。

話を本題にすすめます。

銀行員さんは、融資審査を進める上で、その会社が適正に減価償却費を計上しているかどうかをチェックします。

そのチェックの仕方としては、法人税申告書の別表16という書類を見ます。

きちんと税務上の減価償却費で処理されていると償却不足額は0円になっています。

ですが、どうしても利益をだしたい会社は減価償却額を税務上の減価償却費よりも少なく計上して利益をだそうとします。

その結果として、別表16に償却不足額が記載されます。

銀行員さんにとって償却不足額の印象はよくないです。

財務スコアリングの処理としては、純資産額を減算処理して、企業利益を決算書の数字より下方修正してお仕舞です。

銀行員さんの固定資産台帳の見方

固定資産台帳は、大きくわけて2つの側面でみます。

ひとつ目は、耐用年数が長すぎないかです。

上記①で償却額について説明しましたが、その償却額を求め方は耐用年数で費用を按分します。

すなわち、この減価償却額は、償却期間に応じて処理していきます。

そもそもの償却期間が、その資産の耐用年数よりも大幅に長い期間で償却されている場合は、別表16に償却不足額が記載されていなくても償却不足額を認識します。

車両5年といった償却期間が適当だと思います。ですが、それを15年で償却していると明らかにおかしいですよね。

ふたつ目は、日本の会計基準の場合は、10万円未満の資産は、その支出した事業年度に費用処理します。

ですが、その会社がどうしても利益を計上したい場合は、10万円未満であったとしても資産計上して減価償却資産として処理している会社もあります。

ちなみに、余談ですがオーストラリアの会計基準だと3万円以上は資産計上となります。

オーストラリアの会計基準を使っている外資系企業の固定資産の管理は大変だということです。