今日は、事業計画の妥当性について説明します。
金融機関の収益不動産の与信審査は、大きく分けて物件の担保評価、債務者の属性、事業計画の妥当性という三方向から行います。
事業計画の妥当性の評価水準
金融機関で事業計画の妥当性の見方で重視する指標は、DSCRです。
DSCRとは、Debt Service Corerage Ratio(デッドサービスカバーレシオ)の略です。
これは、不動産賃貸業から生まれた利益(家賃収入▲(諸経費+税+支払利息))と返済の比率の指標です。
おおよその利益水準は、返済の120%が望ましいと言われています。
要するに、DSCR≧120%が望ましいということです。
DSCRが100%を下回るということは、返済の一部に自己資金が混ざることを意味します。年金かわりに収益不動産を購入される方は、DSCR100%を下回っている場合が多いです。
算式よりわかること
DSCRをよくするには、どうすべきでしょうか。
DSCRは、利益と返済の比率です。
利益は、家賃収入から利子を差し引きます。
利子については、各レンダーによって金利水準が違ってきます。
メガバンクだと1%きる水準ですし、地方銀行ですと1%~2%、信用金庫、信用組合ですと2.5~3.5%です。保証協会付きですと、ここに+保証料率となります。
返済は、融資額と返済期間といった融資条件できまります。
はじめは、融資額について説明します。
融資額を少なくするには、自己資金を多くだすか、購入希望の不動産の金額レンジを少なくするかのどちらかです。
融資額がのびるのは、金利水準と相関関係にあります。
ですので傾向としては、信用金庫、信用組合の融資額が一番のびます。
つぎは、返済期間について説明します。
返済期間は、メガバンク、一般的な地方銀行だと税法上の法定耐用年数までとなります。
一部の地方銀行と信用金庫、信用組合は、耐用年数越えの融資期間の提案もあります。