プロジェクトファイナンスの世界では、不動産の担保評価額に対して掛目を入れた金額が融資提案額となります。
この掛目のことをLTV(ローン トゥー バリュー)ともいいます。
今日は、この掛け目について説明します。
この掛け目の考え方は、企業の財務内容や金融機関との取引関係、プロジェクトの実績、担保不動産の内容、レンダーの方針等でかわってきます。
掛け目の標準的な考え方は、80%とみてもらって大丈夫です。
そこに財務内容がよくない、各不動産の事情(旧耐震、狭小、エレベーターなし、借地、流動性等)の理由により70%と下がったりします。
逆に、財務内容が良好、銀行との取引実績も十分にある、不動産の担保価値も固い場合は、90%になったりもします。
ここら辺の調整は、機械に頼らずレンダーの稟議を通して考えられています。
不動産業者や不動産投資家からすれば掛け目が高い方がいいです。
では、どのような場合が掛け目高くなったり、低くなったりするのでしょうか。
銀行の場合は、初回取引から2,3回目までは0.7というレンダーが多いです。
当然、財務内容が抜群によければ初回0.7なんて提案していると他のレンダーに案件がとられてしまうので、そうはならないです。
逆に、財務内容がよければ本来は、0.8だが貴社限りで0.9にしたりします。
ノンバンクの場合は、銀行と基本的に掛け目の考え方が同じです。
ですが、掛け目をきつくいれることはあっても増やしはしないです。
ノンバンクの特徴は、企業の財務内容を重視せず不動産の担保評価に着目して融資をレンダーです。
ですので、創業期の会社や財務内容が悪化している会社がよく利用します。