不動産賃貸業者さんへの運転資金の融資の実務について説明します。
不動産賃貸業への融資の組み立て
不動産賃貸業の場合は、設備資金での融資になります。
設備資金の1つ目は、不動産の取得費です。
返済原資は、家賃収入となります。
空室により家賃収入が減少した場合は、自己資金が返済原資となります。
設備資金の2つ目は、不動産の大規模修繕費です。
こちらの返済原資は、耐用年数の増加による家賃収入と家賃の値上げが返済原資となります。
このように考えた場合は、不動産賃貸業者への運転資金(諸経費の支払等)が不要なため融資審査のハードルが高くなります。
とは、いっても運転資金は欲しいものです。
運転資金融資の内容
金融機関は、不動産賃貸業に運転資金の融資を不要と考えます。
ですが、実務においては、不動産賃貸業であっても長期の運転資金の融資は実行されています。
では、どのような手法がとられているのでしょうか。
運転資金の融資手法は、以下のとおりです。
不動産の後順位抵当権の活用、保証協会の保証の活用、オリックスの保証の活用、日本政策金融公庫の活用、セーフティネットの活用、私募債です。
不動産の後順位抵当権の活用は、不動産の返済が進むと土地に係る返済だけ担保余力がでてきます。
10年も返済が進めば立派な担保財産になっています。
保証協会の保証の活用は、銀行も保証協会が保証してくれるのであれば融資しますといったスタンスです。
オリックスの保証の活用は、賃貸経営が上手くいっている大家さんにしか利用できないです。
日本政策金融公庫は、融資与信が柔軟です。
セーフティは、前年よりも業績があっかしていないと利用できません。
私募債は、ある程度の規模を有する事業規模の大きな不動産賃貸業者にしか利用できないです。
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