不動産の買取再販売のプロジェクトファイナンスの返済方法の類型と注意点を解説します。
返済方法の類型
1つ目は、不動産売却時に期限一括弁済です。
期限一括弁済は、原則的な返済手法です。
不動産の買取再販売の融資の返済原資は、不動産の売上入金だからです。
2つ目は、内入れ弁済付期限一括弁済です。
融資金における担保割れ(LTVが100%未満)が大きすぎてリスクを負いきれない場合は、期限一括弁済までの期日までに内入れ弁済を付されます。
担保割れ部分を定期預金ロックされるよりマシな融資提案です。
3つ目は、バルーン付きフルアモチです。
この返済方法は、月々の約定弁済を家賃収入の範囲にして数年後に残高一括弁済とする返済方法です。
本来的には、収益不動産用の返済方法として利用されます。
REIT等の不動産ファンドに、この手法を用いたりします。
これは、不動産の利回りが暴落した等で当初の事業計画通りに家賃の入金がないため計画倒れになっているときに融資を引き揚げることが可能な返済方法です。
4つ目は、フルアモチです。
収益目的の不動産のような月々の約定弁済がある返済方法です。
プロジェクトの不動産の売却代金でなく家賃収入を返済原資とした返済方法です。
ですので、プロジェクトファイナンスにも関わらず返済期限が20年等の長期融資になっています。
各返済方法の注意点
期限一括弁済は、プロジェクトファイナンスの趣旨にそった返済方法であるため売り切れなかった場合を除き問題がないです。
問題となるのは、内入弁済付期限一括弁済、バルーン付きフルアモチ、フルアモチです。
内入れ弁済付期限一括弁済は、商品不動産から生じる家賃収入を無視した内入れ額になることが多いため支出が先行し資金繰りを圧迫します。
バルーン付きフルアモチとフルアモチは、銀行サイドの融資審査の過程で不動産業者が収益不動産を保有するといって稟議を本部にあげている可能性があります。
そうなりますと1年以内の短期間で売却してしまいますと資金使途違反を指摘されてしまいます。
最悪の場合は、その金融機関から出入り禁止となる可能性を内包しています。
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