銀行、ノンバンクのプロジェクトファイナンスの融資目線の考え方を説明します。
担保評価の仕方、不動産特有の個別事情、事業計画の内容
担保評価は、銀行、ノンバンクとも基本的に同じやり方です
担保評価の仕方は、はじめにその不動産をどうみるかです。
各銀行とノンバンクは、積算と収益の組み合わせをかえるため評価額がかわってきます。
例は、以下の通りです。
積算か収益のいずれか低い方でみる、積算〇%、収益△%といった感じです。
不動産特有の個別事情は、旧耐震物件、水害被害地、旗竿地等の不整形地、狭小地、人口減少エリアだと、担保評価額の掛目を+10%、積算価額のみ、そもそも融資対象としないといった感じになります。
事業計画の内容は、入口の価額が安い理由、リフォームするのか、出口の価額の妥当性、粗利益率が10%位はあるのかといったところです。
債務者の財務内容
東京都内の不動産は、①の担保評価額の結果は仕入価額に満たない場合がほとんどです。
そうなりますと銀行、ノンバンクとしては担保割れが生じるのでその部分は自己資金でお願いしますということになります。
ここで融資額が伸びる重要な要素が債務者のクレジット(信用)です。
債務者の財務内容が良い、そのプロジェクトに十分な実績がある、長年の取引があり融資実績がある、預金をいつもおいてくれてるといったものです。
この債務者のクレジット判断は、各銀行の判断となるので全く予測がつかないです。
傾向としては、メガバンク→地方銀行→信用金庫、信用組合の順番でクレジットによる融資額の伸びはかわってきます。
財務担当者がすべきこと
財務担当者がすべきことは、各金融機関のざっくりとした担保評価額を予測し、固い最低融資額をプロジェクト責任者に助言することにつきます。
この不動産は、エリアがよくない、遵法性を満たしていないから銀行の融資が見込めない、金利の高い資金の利用が必要だとプロジェクト責任者が分かれば、そもそもそのプロジェクトをするに値するかの議論ができるからです。