ソルトルック株式会社/塩見健二税理士事務所
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コーポレート 2024.04.25
  • 図解で5分!法人の税務調査の流れや取りやめ事例といった実務解説

税務調査に選ばれやすい会社

税務調査に選ばれる、選ばれない会社

税務調査に選ばれやすい会社と、選ばれにくい会社があります。

最初に税務調査に選ばれにくい会社を説明します。

税務調査に選ばれにくい会社は、下記3つの項目のうち2を満たすと税務調査になりづらい(確率が低い)と言われています。

①年商5,000万円未満の会社。これは税務調査をしても指摘できる金額が小さいからだと考えられます。

②赤字の会社。繰越欠損金により法人税の納税が期待できないからだと考えられています。

③消費税の免税事業者。税務調査で指摘事項がある場合は、利益の増減とともに消費税の増減も生じます。

そもそも消費税が免税事業者だと、税務署にとっては、消費税の納税が期待できないためだと考えられます。

税務調査に選ばれにくい会社以外は、すべて税務調査に選ばれやすい会社となります。

特に、税務調査に遭う確率の高いケースは、消費税の還付が生じる、急成長している、組織再編(M&A)をしている場合です。

 

10年以上、税務調査にならない会社

税務調査に選ばれにくい会社

肌感覚としては、下記のような会社が税務調査に選ばれにくいと考えています。

①交際費が年30万円未満

②金融機関等の第三者からの借入金が多い、リスケジュールしている

③〇〇法人会に参加している

④決算書や勘定科目内訳書が作りこまれている

 

税務調査が取りやめになるケース

税務調査の取りやめ、逃げ切る会社

税務調査に発展しない、取りやめになるケースは、存在します。

ちまたでは、このような税務調査に発展しない、取りやめになるケースを税務調査を逃げ切った、というようです。

税務調査に発展しないケースは下記のとおりです。

 

粉飾決算をしているケース

この場合は、税務署職員が粉飾箇所の帳簿データを求めてきます。

会計事務所は税務署に当該箇所をFAXないしは、郵送して、税務調査の取りやめになることがあります。

 

破産開始決定を裁判所からうけたケース

 

この場合は、破産の開始決定がなされると、その事実が登記簿謄本に登記されます。

税務署に登記簿謄本をFAXするか、郵送するかで税務調査の取りやめになることがあります。

 

本店所在地がかわったケース

 

税務署は、行政ですので管轄地域に本店がある会社の税務調査を行っていきます。

税務調査時に、本店所在地に異動が生じると税務調査も取りやめになる場合もあります。

ただし、異動後の本店所在地の所轄税務署による税務調査になる場合があります。

 

書面調査で終了するケース

 

税務署から関与税理士に連絡があります。

そのときに必要な書類を説明されます。

書類の内容は、総勘定元帳、請求書、会計基準、根拠税法等になってきます。

税務署から「なんで、この処理をしたのか?」という問いに対して説明をする資料ということです。

これで、うまく説明できたら税務調査に発展しないです。

 

税務調査の時期

税務調査は、会社の決算申告後6月以降に調査がなされることが多いです。

その税務調査には、調査の深さが存在します。

税務調査官は、毎年7/1-6/30で区切って活動をします。

基本的には、6/30をまたいで税務調査をしないです。

税務調査の年間スケジュールは下記のとおりです。

重要度の高い税務調査は、7/1-12/31

重要度が普通の税務調査は、1/1-3/31

重要度が低くノルマ稼ぎの税務調査は、4/1-6/30

 

税務調査の対象期間

 

税務調査は、一般的に過去3年分が調査期間となります。

悪質事案の場合は、5年です。

さらに悪質な場合は、7年となっていきます。

税務調査が行われている間に、進行期の決算申告がなされると最新期も税務調査の対象となるケースがあります。

ここからもわかるように税務調査は、長引かせるのでなく直ぐに終わらせることをオススメします。

 

税務調査の面子

 

税務調査で重要となるのは、何日間、何人、誰が、が重要となります。

何日間ですが、通常は、2日間です。

重要度が低い税務調査は、1日もありえます。

重要度が高い、しっかりみたい税務調査は、3日もありえます。

税務調査次第では、延長、やり直しもありえます。

何人かは、下記のパターンが多いです。

1人~3人の場合が多いです。

大きな会社で複数の拠点がある場合は、各拠点に一斉に調査という場合もあります。

誰が、は重要なっていきます。

税務調査の上手い順には、特別調査官、上級国税専門官、国税専門官となっていきます。

 

タレコミ

国税庁のホームぺージには、課税、徴収漏れに関する情報の提供があります。

 

 

各勘定の税務調査の仕方

税務調査と各勘定の論点

売上高

 

売上高は、必ずチェックされます。

チェックの仕方は、期ズレです。売上高の計上漏れ。

期ズレは、前受金や売掛金勘定の残高根拠や翌期の期首入金がみられます。

売上高の計上漏れは、期ズレの他に代表者個人口座や法人の秘密口座への入金を調べていきます。

 

売上原価

売上原価は、売上高とパラレルに対応しているのかをチェックされます。

商品在庫勘定が過少すぎると指摘されます。

調査手法は、決算月の仕入量が増加していないか、在庫一覧表を調査対象としていきます。

 

人件費

 

人の出入りが激しい、給与が現金払い、外国人を雇用している会社は、マークされていきます。

人件費は、源泉徴収簿(一人別徴収簿)、給与の支払いや座席表といったデータをみます。

これは架空人件費がないかを調べていきます。

役員報酬については、役員報酬の改定に関する議事録を求められます。

 

外注費、業務委託費

 

外注費、業務委託費は、スタッフの人件費でないか、架空でないかを調べます。

外注費や業務委託費は、役務提供との内容で過大に支払っていないかを調べます。

また、営業会社の場合は、スタッフの歩合給与を業務委託費として計上することがあります。

業務委託の裁判例と照らし合わせながら適正に処理されているかを調べられます。

業務受託者は反面調査で適正に確定申告書がなされているかもチェックされます。

 

交際費

交際費は、金額の多寡や業務必要性を調べられます。

領収書は、クレジットカードとの突合もします(領収書の裏取り)。

これは、クレジットカードで支払いが確認できると本当に支払っているという証拠になります。

金額の大きな領収書でクレジットカードの支払い履歴がないと現金払いなのか、ということになります。

そうなりますと小口勘定の入出金との整合性に発展していきます。

その産業と比較して交際費が多すぎる場合や業務必要性が考えられないものは否認対象となります。

 

その他経費

 

その他経費は、複数の会社を営んでいる企業グループの場合は、恣意的な費用の付け替えを調査されます。

このときは、費用の按分根拠の説明を求められます。

過年度の各勘定の推移をみて、ポコっとでているところをピンポイントで調査もします。

 

固定資産

固定資産は、償却期間の検討がなされます。

固定資産は、税法で何年で償却するかを決められています。

その基準と比べて妥当なのかを調べます。

 

関連会社との取引

子会社、兄弟会社がある企業グループは、関連会社との取引をみます。

調査手法は、多額の現金の収入支出があると、子会社、兄弟会社の通帳の提出を求められます。

決算月が異なる関連会社の場合は、調査対象会社の決算月に外注費等で関連会社にお金をながしていると、なぜだ?と質問されます。

これは調査対象会社の経費の妥当性を調べるため(いわゆる、利益飛ばし)です。

 

税務調査の税理士の役割

税務調査時の税理士の役割

税理士のスケジュール

はじめは、納税者を代理して税務署に出頭して説明したり、書面調査に応じたりします。

次は、税務調査の臨場です。通常は、2日で終わります。

悪質な納税者の場合は、調査延長になりますし、税務署から局調査に切り替わる場合もあります。

比較的に規模の大きな会社ですと、最初から調査日程を3日~と言われる場合もあります。

最後は、税務署内や事務所で課税処分の交渉です。

 

税務調査における税理士の役割

 

税理士の税務調査時の役割は、大きく分けて2つあります。

交渉と根拠の解説です。

交渉というのは、上記の交際費ですと、ザックリいくら自己否認するかの交渉です。

税務署は、より多くの税をとりたいために多めの否認額を提案してきます。

例としては、50%否認みたいな感じです。

税理士としては、10%否認なら今すぐに修正申告に応じるといった感じです。

金額の問題に、法律論がないです。

根拠の説明の例は、下記のとおりです。

税務署は重加算税をとりたがります。

重加算税の法的要件は、仮装または隠蔽の事実が必要になってきます。

税理士としては、なぜ仮装または隠蔽に当たらないかを説明します。

 

申告漏れのペナルティ

申告漏れ(無申告)である場合のペナルティは、下記のとおりです。

個人でメルカリ等で物品販売をした利益を申告していない場合も含まれます。

無申告加算税

追徴課税が払えない場合の対応方法

本税、無申告加算税、過少申告加算、延滞税が払えない場合があります。

税務署に換価の猶予申請をします。

換価の猶予期間は、1年です。

ですが、1年で完納できない場合は、再度、官かの猶予申請をおこなっていきます。

話は、かわりますが納税が完納できていない状態だと新規融資が審査が通らなくなります。

 

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