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リファイナンスとは
リファイナンスとは、当初に約定した貸出条件を見直しや借り換えをすることをいいます。
不動産業者の商品不動産の仕入資金の場合は、返済期間の延長が多いです。
商品不動産に関するプロジェクトが事業計画通りに、加工、販売できずに在庫不動産が売却できず、融資が返済できなかったことをいいます。
このような理由で完済できないときにリファイナンスを考える必要があります。
リファイナンスの手法は、下記のとおりです。
1つ目は、当初貸出をした銀行、ノンバンクがリファイナンスに応じる場合
2つ目は、当初貸出をした銀行、ノンバンクがリファイナンスに応じず返済をせまる場合
3つ目は、債務者が支配する別の会社に不動産の所有権を移して、そちらでリファイナンスする場合
銀行、ノンバンクがリファイナンスに応じるか、応じないかは、下記のマトリックスチャートが目線となります。
銀行は、基本的にリファイナンスをあきらめた方がいいといえます。
信用金庫は、ケースバイケースです。
信用組合は、何度かのリファイナンスだと応じてくれます。
日本政策金融公庫は、そもそも長期目的の不動産取得にしか融資しないです。
ノンバンクは、リファイナンスOKです。
銀行のリファイナンスと注意点
1つ目は、当初貸出をした銀行でリファイナンスに応じる場合です。
銀行は、当初の事業計画通りに不動産を売り切れなかった場合ですと、ほぼリファイナンスに応じないです。
ただ、下記のような場合は、リファイナンスに応じます。
1つ目は、すでに不動産の売却先と売買契約を締結しており販売の決済時期までに不動産が販売できなかった場合です。
2つ目は、リフォームに関する部品の調達が遅れているため販売活動がまともにできなかった場合です。
要するに、販売しきれなかったことに正当な理由がある場合です。
このときのリファイナンスに関する融資条件は、金利が0.5%UP、返済期間を6ヵ月延長といった内容になっていきます。
2つ目は、銀行間の肩代わり(※信用金庫や信用組合も含む)です。
これは銀行から銀行への肩代わりです。
当初のプロジェクト通りに事が進んでいないプロジェクトであったとしても、肩代わりしてもいいという銀行も存在します。
立退きが必要なプロジェクトは、往々にして立退料の合意でプロジェクトが進まない場合が多いです。
肩代わりする銀行は、この事業者の財務内容なら回収できる、どうしても融資残高を伸ばしたい等の理由があれば肩代わり資金の資金調達が可能になります。
金融機関の融資の世界は、支店長次第で大きく融資スタンスが変わります。
ですので、数あたっていい支店を見つけるのがいいです。
この肩代わりの注意点は3つあります。
1つ目は、当初融資した銀行の融資事務手数料です。回収する銀行の融資事務手数料は返金されないです。
2つ目は、肩代わりしますと不動産の抵当権の抹消、設定に関する登録免許税が課されます。
3つ目は、リファイナンスも考えると金利が安かったとしても銀行から不動産の仕入れ資金を借りないことです。
信用金庫や信用組合のリファイナンス
信用金庫、信用組合は、商品不動産がリファイナンスになるときに約定通りに弁済をせまることが少ないです。
ただ、リファイナンスが3回、4回と続くようでしたら話がかわってきます。
特に注意しないといけないのは、リファイナンスが何度も続くような場合だと出入り禁止になる場合があります。
要するに、信用金庫や信用組合から、不動産の仕入れの目利きができていない、エンドユーザーにとって買いたいと思うリフォームができていない、と思われるからです。
あとは、ノンバンク等に融資を肩代わりしてもらったあとも、不動産の登記簿謄本をあげていつに販売できたのかチェックされます。
金融の世界のリファイナンスは、基本的に金利が高い方へのリファイナンスがないです。
リファイナンスの候補は、金利の高い金融サービス業者となります。
ノンバンクのリファイナンス
ノンバンクは、融資の本質に関係なく不動産という担保があって自社の融資の保全が図れているならば融資をするというスタンスです。
ただ、注意しないといけないのはノンバンクは、コーポレートのクレジットを銀行のようにみないです。
ですので、リファイナンスをする不動産の仕入価額と融資額が大幅に乖離する可能性が多いにあります。
特に区分マンションは土地評価が全く伸びないです。
そのため自己資金の負担が銀行融資よりも重くなる傾向にあります。
銀行や信用金庫、信用組合からノンバンクにリファイナンスするときは、持ち出しが発生するということです。
ノンバンクの融資条件は、銀行、信用金庫、信用組合より悪いです。
一例は下記のとおりです。
融資事務手数料が1.5%前後
金利が3.5%~15%
繰上弁済事務手数料1.5%前後
業務提携ノンバンクと転抵当権
ノンバンクであっても、あまりにもリファイナンスをするようでしたら他社への借り換えを提案されます。
このときの借り換えの提案先は、ノンバンク間で業務提携を締結している先になります。
このときの特徴は、どんどんと金利の高いノンバンクへの借り換えとなっていく点です。
最終的には、金利15%のノンバンクとなってしまいます。
それと同時に追加担保も求められます。
よくあるのが、代表者や代表者親族の自宅への2番抵当権の設定です。
業務提携ノンバンク間の借り換えですと転抵当権が利用できる可能性があります。
転抵当権というのは、抵当権を抹消して、再度設定するのでなく抵当権をノンバンク間で譲渡するという手法になります。
ですので、抵当権設定に伴う登録免許税が課されずに済みます。
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