税理士塩見健二著
敷金に質権設定をして融資支援をうける場合を説明します。
敷金の担保性
敷金は、売掛金等と同じ債権ですので担保にすることができます。
敷金の担保設定の仕方は、質権がオーソドックスな手法となります。
民間金融機関の場合は、敷金に質権設定をしてまで融資審査をすすめることがないです。
敷金の性質が、不動産の賃貸人が債権回収できなかったときに敷金を充当するためのものです。
そのため確実に債権回収が見込めないため敷金を担保としてみれないのです。
政府系金融機関の場合は、敷金を質権設定としてみてくます。
敷金の質権設定のメリット
敷金を質権設定することによって金融機関のプロパー枠や信用保証協会の保証枠をとっておくことが最大のメリットになります。
その他のメリットとしては、企業に重大なトラブルが起こったときです。
企業に重大なトラブルがあった場合は、保全がとれていない貸出をしている金融機関から一旦融資を引きあげたいと言われるものです。
ですが、敷金を担保にしている金融機関にとっては、担保があるためすぐに融資を弁済して欲しいと言われない可能性が高いといえます。
敷金を担保としてみてくれる金融機関
敷金は、金融機関にとって確実に債権回収できる安全な担保といえないです。
債務者が家賃を滞納したり、本社、支店、店舗を撤退したときに不動産をスケルトンに戻す費用がないときには敷金が充当されるためです。
それでも商工組合中央金庫は敷金を担保としてみて融資審査をしてくれます。
商工組合中央金庫は、半官半民で出資しあっている政府系金融機関です。
取引ができる年商規模は、おおよそ5億円です。
商工組合中央金庫は、店舗が少ないため少し使いづらい金融機関でもあります。
賃貸人の質権設定に対する協力
不動産の賃貸人は、基本的に敷金に対しての質権設定を拒否します。
敷金への質権設定に協力的な不動産の賃貸人は、大手不動産賃貸業者になります。
大手の不動産賃貸業者は、比較的大きな物件を貸し出すため敷金も大きくなりがちです。
ですので、どうしても敷金への質権設定に協力しないと不動産の賃貸借契約が進まない可能性もあるかと思われます。
資金繰り、財務、税務をオールインワンで解決!