事業会社を経営されていて会社全体の借入金が10億円を超えたあたりからの金融機関の対応を説明します。
10億円借りている会社の財務内容
借入金が10億円を超えてきますと、保証協会付き融資や日本政策金融公庫からの融資だけでなく民間金融機関のプロパー融資もある程度膨らんできます。
こうなりますと、金融機関からは、決算書、勘定科目内訳書、法人税申告書、納税証明書以外の資料を求められます。
債務者が資料を提出しなかったら金融機関は融資を引き揚げておしまいですので提出するしかないです。
10億円借りる会社ですと、結構な数の金融機関と取引しないといけないです。
このロット借りるときは、メガバンクが楽なので重宝します。
地方銀行ですと10数行と取引することなので事務連絡が大変になってきます。
そこでどのような資料を求められるかを説明します。
残高証明書の徴求
残高証明書の徴求は、3パターンあります。
一つ目は、債務者が残高証明書を金融機関から取り寄せていない場合です。
このときは、普通預金の通帳のコピーで大丈夫です。
二つ目は、残高証明書をとっている場合です。
コピーでもOKというパターンです。
三つ目は、残高証明書の原本を求められる場合です。
残高証明書を偽造する会社もあるため一定以上に貸し込んでいる金融機関は、原本の提出を求めるようです。
代表者の所得税確定申告書の徴求
融資をうける前に代表者の資産や負債状況を記した書類を金融機関に提出します。
それ以外に、融資量が大きくなりますと所得税の確定申告書を求められます。
見るポイントは、不動産や有価証券を個人で持っていないか、赤字の事業をしていないか、別の会社からお金をもらっていないか(役員報酬等)等です。
赤字の事業で多いのは、ワンルームマンション投資等での赤字計上等です。
昨今は、不動産価格が高止まりしていますので、東京都内のワンルームマンションですと相当な自己資金をいれないと事業として立ち行かないです。
やはり、金融機関からすると赤字の事業をもっているとマイナスのイメージがあります。
取引のある金融機関の情報提供
勘定科目内訳書には、預金取引のある金融機関の名称、支店名、金額を書く欄があります。
税理士、公認会計士が作成する勘定科目内訳書には、支店名まで記載していないものも多いです。
金融機関は、どこの金融機関の、どの支店と取引しているか確認したがります。
これは、いざ債権にデフォルトが生じたときに差し押さえる準備をするためと考えられます。
債権の差し押さえは、銀行名と支店名がわかればOKです。
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