財務内容がいい会社は、金融機関より融資でなく社債(私募債)での資金調達が提案されるようになります。
今日は、この社債の実務上の取り扱いについて説明します。
プロパー社債の適債基準の目線
社債は、金融機関との融資取引と資金フローが異なります。
簡単な流れは、会社が社債を発行して、それを金融機関等の適格機関投資家がそれを買うといった感じです。
ですので、社債の引受審査は、銀行の融資審査よりも厳しい審査目線となっていきます。
プロパー社債の適債基準の目線は、清水銀行のホームページに記載がありました
清水銀行は、地方銀行ですので地方銀行のプロパー社債の適債基準もこれに類似していると考えても大丈夫です。
特徴的なのが、純資産額3億円以上となっています。
保証協会の保証付私募債は、純資産額0.5億円~となっています。
ですので、銀行のプロパーの社債の審査の厳しさが数字で表れています。
保証協会付き社債の適債基準の目線
保証協会付きの社債は、社債に保証協会と金融機関が協調して保証する商品になります。
その特徴は、上述したとおり銀行のプロパー社債の適債基準よりも純資産額の要件が小さいことにあります。
保証協会のパンフレットでは、純資産額0.5億円~となっています。
実務ですと純資産額1.0億円が目線となっているようです。
保証協会付き社債の留意点
ここは以外と知られていない保証協会の保証限度額について説明します。
よく金融機関の営業担当者からのセールストークに「保証協会付き私募債は別枠です。」と言われます。
たしかに保証協会付き融資(証書貸付、手形貸付)とは、保証協会の部署も違いますし、別枠でもみます。
ただし、別枠でみるといっても限界があります。
融資につけた保証と社債につけた保証の合算の無担保の保証限度額は5億円となっています。
この保証限度額5億円は、セーフティ、危機関連保証を除く保証額となっています。
ですので、この無担保の保証限度額=融資の一般枠保証+社債の保証限度額といったイメージです。
それに保証協会付き私募債の保証上限額は、5.6億円ですが、保証額が2.5億円(無担保保証額2億円)を超える場合は担保が必要となってきます。