ソルトルック株式会社/塩見健二税理士事務所
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コーポレート 2021.07.12
  • 自社利用不動産の取得のための事業計画、融資目線

店舗不動産を自社利用で購入する場合の事業計画の作り方、融資目線、申込から着金までのタイムスケジュールを説明します。

前提は、信用金庫、信用組合からの資金調達とします。

融資の目線と支払い項目

店舗不動産の購入は、2021年時点ですと、いわゆるフルローンの提案がないといえます。

現実的な融資目線は、(不動産の購入+諸経費)×80%です。

上記の諸経費には、不動産業者に支払う仲介手数料、登録免許税、印紙代が考えられます。

おおむね諸経費は、不動産の購入価額の10%で見積もりができます。

融資でカバーされないのは、融資事務手数料、不動産の所有権移転後6ヶ月後に納付書がくる不動産取得税です。

ですので、20%は自己資金での対応となります。

具体的な事例を説明します。

購入不動産が3,000万円ですと、諸経費が300万円(=3,000万円×10%)ですので、総支払額が3,300万円になります。

融資利用が2,700万円、自己資金600万円といった資金調達になります。

 

事業計画の勘所

自社利用目的の店舗不動産の返済原資は、店舗から生じる売上から経費と税を差し引いた税後キャッシュになります。

ですので、事業計画の妥当性が融資審査で重視されます。

税後キャッシュが返済原資になりますので、税後利益+減価償却費>年間返済額になることが望ましいです。

ですが、財務内容がよく既存事業で利益がでていますと、この算式はそこまでみられないです。

年間返済額は、購入する不動産の築年数に応じて返済期間が短くなってしまうからです。

 

申込から着金までのタイムスケジュール

融資審査は、金額によって支店決済、本部決済、理事長決済となっていきます。

上記のような3,000万円位の不動産でしたら支店決済になります。

すでに取引がある金融機関に融資の申込をする場合は、申込から着金まで1ヶ月みておけば大丈夫です。

初回取引ですと、コーポレートの審査がはいりますので、+1週間といったところです。

初回取引で大ロットの融資を敷く場合は、融資謝絶リスクが十分に考えられます。

そのリスク対応としては、不動産の売買契約にローン特約をつける、不動産取引の前に簡単な融資取引をしておくことが考えられます。