不動産の売主と買主が同じ金融機関を利用する場合の注意点を説明します。
金融機関の基本的なスタンス
金融機関は、不動産の売主と買主が同じ場合の融資について基本的にネガティブにとらえています。
とくに、売主が不動産の転売業者です。このときの買主は、収益目的、居住目的、利用目的の保有目的を問いません。
金融機関が融資にネガティブな理由は、売主である不動産の転売業者のその不動産の仕入価額を知っているからです。
ですので、その不動産にいくら上乗せして販売したのかを金融機関でわかっているのでネガティブになってしまいます。
ですが、ネガティブといっても融資は検討するものです。
金融機関も融資残高を減らしたくないものです。
そこで買主に提案する融資目線は、売主の不動産の転売業者の仕入価額までといった金額が多いといえます。
この仕入価額には、仲介手数料、登録免許税、不動産取得税等の諸経費を含んでいないです。本体価額のみです。
親子会社の場合
上記①は、第三者間取引の場合を想定して書いていました。
ですが、不動産業者においては、親子会社(※兄弟会社も含む)において法人毎に収益用の法人、買取再販売用の法人、土地
転売用の法人と用途によって法人を分けている場合があります。
このような企業グループ間取引においても売主と買主が同じ金融機関である場合はローンが伸びない可能性があります。
当初は買取再販売用で購入した不動産でしたが、目的を収益目的に変えるため法人間で不動産をキャッチボールする場合だと
融資を引き継いで実行するか否かは金融機関の判断となります。
買主が利用する金融機関の調べ方
売主が、どの金融機関を利用しているかは不動産登記簿の乙欄をみれば抵当権者に金融機関が登記されています。
そこをみれば、どの金融機関を売主が利用しているかはわかります。
ポイントは、売主は、買主と同じ金融機関を利用しないことです。
そうしないと融資が伸びる不動産であっても上記に記載した通り伸びない可能性があるからです。