連結子会社への銀行融資は、基本的に親会社の連帯保証が必要となってきます。
この親会社保証の実務上の留意点を説明します。
親会社保証無しで子会社がファイナンスを組む方法
親会社保証無しで連結子会社がファイナンスを組む方法は大きく分けて2種類あります。
1つ目は、親会社からの借入で資金を賄う方法です。
親会社からの借入方法は、純粋に親会社の余剰資金を子会社に貸し付ける方法と
親会社名義で金融機関から資金調達をして、その資金を子会社に貸し付けるという親子ローン(転貸資金)という方法があります。
親会社の余剰資金を子会社に貸し付ける方法は、親会社からのエクイティファイナンスに近い性質があるので特段問題になる点は少ないです。
親子ローン(転貸資金)の場合は、審査がややこしくなります。
金融機関サイドで、なぜ、転貸資金にするのか、子会社に貸し付ければいいじゃないか、資金使途がボヤけるという議論になるからです。
なので、金融機関から理由もない転貸資金は嫌がられる可能性があります。
2つ目は、政府系金融機関からの融資です。
政府系金融機関は、あまりにも業績が悪くない限り基本的に連帯保証人を求めないようにしています。
ですので、代表者保証も親会社の保証も不要ということです。
親会社保証無しにするための資本政策の注意点
金融機関が親会社の子会社の融資に親会社保証を求めるのは通例です。
ですが、金融機関は、全ての子会社の融資について親会社の連帯保証を求めていないです。
例えば、株式の保有比率が小さい親子関係の会社です。
少なくとも金融機関は、33%の株式保有割合だと親会社への連帯保証を求めていないです。
あと注意しないといけないのは、連帯保証だけでなく融資枠にも注意しないといけないです。
株式の保有比率が低いからといって、その親子会社の一企業グループとみた場合は、融資の与信判断上、同一グループとみてしまいます。
そうなりますと、与信枠が思いのほか伸びなかったりするものです。
この考え方は、信用保証協会の信用保証枠にも当てはまります。
ですので、ローンありきで事業をする場合ですと連帯保証の有無や信用保証の保証枠も視野にいれて資本関係を構築していった方がいいと考えれます。