金融機関における融資枠の考え方を説明します。
この融資枠は、大きくわけて5パターンあります。
順を追って説明します。
債務者の財務内容で融資枠を考える方法
この手法は、一般的な銀行与信の融資枠の決め方となります。
はじめに融資枠をきめるたに決算書の数字をソフトに打ち込んで、ある程度のスコアリングをだします。
このときに不明点が質問の電話が銀行の担当者からあります。
質問対策としては、勘定科目内訳書や付随資料を細かく書いておけば連絡がこないです。
そのスコアリングをもとに各支店の担当者で話あって融資の方向性や融資枠の上限をきめます。
銀行として一律の上限の融資枠を考える方法
この手法は取引開始1年以内の債務者に導入している銀行が多いです。
よくある融資枠の上限のバー(クレジットライン)は、5,000万円、8,000万円、1億円となっています。
これは各企業の財務内容に応じてかわってきます。
実務をみていますと、銀行の担当者からは一番下限のバーの範囲といわれることが多いです。
この融資枠の上限のバーは、運転資金、設備資金と関係なく総融資額で決まっていることが多いです。
保証協会付きばっかりであっても融資枠の上限は超えられないと言われます。
資金使途ごとに融資枠を考える方法
この方法は、融資枠というよりか信用保証協会の保証枠にこの考え方が用いられます。
その内容は、設備資金の保証枠は××円、運転資金の保証枠は▲▲円といったような感じです。
これは債務者の業種や財務内容に応じてかわっていきます。
ですので、運転資金を必要とする現金商売の場合は、運転資金の枠は必然的に小さくなります。
アンコミットメントライン
アンコミットメントラインは、日本語に直すと当座貸越という融資手法です。
これは売上の季節指数の大きな業種や突発的に在庫を抱えるような業種に使います。
このような原因で一時的に預金量が減ってしまうときに3ヶ月とかの短い期間の繋ぎの融資をうけます。
この融資の限度額は、決算明けに決算データを銀行にわたして都度で融資上限額を改定していきます。
決済区分
金融機関は、いくら以上だと本部決済、役員決済、理事長決済といったラインを設けています。
これを決済区分といいます。
大きな融資額になればなるほど決裁権限者が増えていきます。
そうなりますと融資審査が長引いていきます。