コロナウイルスの蔓延によって飲食業、宿泊業といったサービス業の売上高が激減しています。
前年対比の売上高20%減、40%減といった企業も現れております。
この売上高減少に対する金融面での支援にコロナウイルスに係る別枠融資が続々と発売されています。
コロナウイルス関連で発売された融資商品
ラインナップとしては次のような感じです。
イ 日本政策金融公庫(国民生活)よりセーフティ別枠融資
これは飲食業や宿泊業といった指定業種で売上高前期比較5%減が要件。
ロ 信用保証協会よりセーフティ4号認定
これは業種関係なく売上高前期比較20%減が要件。
ハ 信用保証協会よりセーフティ5号認定
これは指定業種で売上高前期比較5%減が要件。
ニ 各市区町村での制度融資
各市区町村のホームページに概要が記載。
売上高減少の定義
売上高減少の定義で実務上2つの点について注意する必要があります。
各融資商品によって売上高減少の定義がかわってきます。
代表的な定義は次のとおりです。
前期と当期の1月ないし3月連続の平均額の売上が5%減少している場合です。
当然、この要件に該当しない場合にはコロナ関連の融資枠は利用できません。
もう少し深堀りします。
当期に出店した、設備投資をしたことによって売上高は増加したけど固定費が吸収できずに利益は減った場合です。
弊社の調べだとこのコロナ関連の融資商品は、会社全体の売上をベースにみます。
ですので、前期からある部門の売上は減少しているからといってこの制度が利用できないと考えた方がいいです。
すでに与信枠を目一杯つかっている場合
いくら別枠融資だからといって企業の財務内容からみて回収困難な貸付は金融機関として判断が困るものです。
大幅な債務超過や債務過多の会社で、すでに融資枠を目一杯利用されている企業の場合は、コロナ関連の別枠融資だからといって、すっと審査が通るものでないです。
ですので、本部稟議扱いとなって融資謝絶になる可能性もあることを留意しておいた方がいいです。
新発融資に関する留意事項
コロナウイルス関連で日本政策金融公庫は特別窓口を設ける等のオペレーションをされていますが全く対応が間に合っていないとのことです。
以前までは、その企業の融資担当者が対応してくれていましたが、現状は融資に必要な書類を店舗に持参して担当者が割り振られるといったオペレーションに切り替わっております。
あと、4月に着金が間に合わないと資金ショートするといった企業も多く資金に余裕のある会社は融資審査が後回しになっている傾向にあります。
ですので、資金付けは、早め、多めで行動された方がいいと思います。