不動産を買取再販売するプロジェクトを前提にリファイナンスの実務を説明します。
銀行の対応の類型
銀行が不動産の買取再販売に係るプロジェクト資金の融資審査は、多岐にわたります。
その中身は、コーポレートの財務内容、事業計画の妥当性、とくに売却価額や仕入価額の妥当性、担保価値、取引実績、過去のプロジェクトの経験といったところです。
不動産の買取再販売のプロジェクトファイナンスの融資に係る資金使途は、在庫不動産の仕入れ資金であり、その返済原資は、仕入れた不動産の売却代金で理屈立てていきます。
これに合わせて返済方法を買取再販売のプロジェクトファイナンスの返済期間は12ヶ月一括弁済(※月々に元本の内入れ弁済がつく融資もあります。)となります。
融資実行から12ヶ月後に不動産が売却できずに返済ができなかった場合は、どうなるのでしょうか。
基本的に5つのパターンが考えられます。
1つ目は、とりあえず完済してください。審査の厳しい金融機関に多いです。
2つ目は、決済は、できていないが契約ができている場合は、決済日まで期間延長を認めます。金融機関の支店判断になります。
実務ですと、同じ支店であってもA社には、返してください。になりますが、B社には、待ちます。といったことも起こっております。
3つ目は、内入れ弁済してリファナンスです。信用金庫や信用組合に多い対応です。
4つ目は、金利の上昇でリファイナンスです。こちらも信用金庫や信用組合に多い対応です。
5つ目は、ロールです。そもそものプロジェクトが立退きが関わるプロジェクトの場合は、金融機関側も契約は12ヶ月ですがロールありきで考えているというところもあります。
ノンバンクの対応
銀行、信用金庫、信用組合は、リファイナンス案件に融資することはありません。
当初の事業計画通りに仕入れ、加工、販売できていないのだから融資審査の土台にのらないです。
ノンバンクは融資審査の土台となります。
ノンバンクの融資審査は、銀行等と異なります。
銀行等の場合は、コーポレートの与信、事業計画の妥当性等を総合的に判断して融資します。
ですが、ノンバンクの場合は、担保評価ありきで融資をします。
担保評価の決め方は、実勢でやるのか、積算でやるのかは、そのノンバンク次第となります。
傾向的には、コーポレートの与信を全く考慮しないノンバンクは、融資額が少なくなります。
ですので手許資金が減るという事態が起こってしまいます。
あと、注意しないといけないのは、リファイナンスお断りのノンバンクも存在します。