不動産担保ローンは、コーポレート向きのローンと担保物である不動産の評価という作業が入り、かつロットが多額になることから融資審査が長期間に及びます。
そこで審査を引っ張られるときの対応方法と注意点を説明します。
今回は、プロジェクト向きでなくて収益向きで説明します。
プロジェクト向きと収益向きはスケジュール感が違うため分けて考えた方がいいです。
融資審査が引っ張られるパターン
融資申込から着金までの標準的な目線は、既存取引ですと35日、新規取引ですと45日です。ここにロットが大きい場合で本部審査になる場合は追加で10日をイメージしておけば大丈夫です。
ですが、ここに審査が伸びてしまうパターンに入ってしまうとその分着金まで伸びてしまします。
融資審査が引っ張られるパターンは大まかに4つに分類できます。
一つ目は、融資申込から着金希望日までの間に年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休みといった大型連休がある場合です。
銀行員さんも大型連休中は、お休みですので融資審査はストップします。
二つ目は、多忙時期です。
これは金融機関は、中間決算である9月や本決算である3月にノルマを消化するためこの時期は非常に忙しくなります。
件数をかかえてしまうためどうしても審査が長引いてしまいます。
三つ目は、本部審査や役員審査になるような大型物件です。
金融機関の審査は、大型ロットになればなるほど審査の数が増えます。
支店決済→本部決済→役員決済という感じです。
とくに信用組合は2000万円を超えてしまうと本部決済になるところもあります。
四つ目は、突発的に金融庁からの調査が入る場合です。
これはたまにおこります。
だいたい着金が1月ほど遅れるとみた方がいいです。
対処方法
上記のように融資の着金が遅れた場合は、どうすべきでしょうか。
収益向けの不動産担保ローンの場合は、確実性をとって金利が5%までのノンバンクに融資打診をするのが賢明です。
と、いいますのも決済できなかった場合は、ローン特約無しで売買契約を結んでしまいますと仕入金額の20%は違約金として売主支払う契約がほとんどです。
これを避けるためにノンバンクに融資打診となります。
ノンバンクの融資審査は、コーポレートの与信をみずに不動産のみの担保評価で融資内容をきめます。
ですので、融資は伸びないので審査がスムーズに通りやすいです。
ただ、注意したいのが、銀行とノンバンクにて、いわゆる天秤状態になってしまいます。
天秤状態であることをノンバンクに隠しておいて梯子を外してしまいますと高確率で出入り禁止になります。
ですので、最初から事情を説明して対応した方が無難です。
あと、審査が長引いている金融機関にも他に打診している旨を伝えた方が無難です。