赤字が続くような場合は、コーポレートのクレジットを利用したファイナンスが困難となります。
具体的には無担保のプロパー融資や保証協会の保証を活用した融資を指します。
上記のような融資や保証の審査で謝絶された場合には、コーポレートのクレジットを諦めてアセットのクレジットを利用して資金付けを検討していく必要があります。
アセットを活用するファイナンスは、預金、売掛金、在庫、仕掛品、動産、有価証券、敷金等の権利、不動産を担保に差し入れる融資のことです。
抵当権の設定の仕方
抵当権の設定の仕方は、大きくわけて2種類あります。
一つ目は、債権者である銀行に抵当権が抵当権者になる場合です。このやり方は、銀行が、そのまま担保の枠の範囲で融資をするやり方と、抵当権者は銀行だが担保枠を保証協会に差入て保証協会の保証を取り付けるやり方があります。
二つ目は、銀行ではなく保証協会が抵当権者になる場合です。銀行の融資に保証協会の保証を付すことができまるようになります。
担保を設定して保全のある融資であることから債務者からすると、融資額と調達コストの2点からどの提案が一番いいのか検討すれば大丈夫です。
抵当権の設定諸経費
抵当権を設定することにより登録免許税の納税が必要になります。
ざっくりですが、融資額×0.4%が必要となります。
1億円の融資の場合は、40万円の登録免許税が必要となります。
抵当権も根抵当権も登録免許税は同じです。
どんなファイナンスを前提にするかで抵当権と根抵当権は使い分けるといいです。
設備資金のように一度融資した金をリファイしないような資金の場合は、抵当権が前提となります。
季節資金や約定弁済付の経常運転資金、コミラインのリボルバーは根抵当権を利用したらいいです。何回も融資を必要とする資金使途だからです。
単独融資か協調融資
一つの抵当権の枠は、単独融資がやりやすいものです。
ですが、銀行もいくら保全がとれているからといっても融資限度額というものが存在します。あと公庫は、よく民間との協調融資を求めてきます。
ですので、資金調達希望額によっては、複数行による協調融資を検討する場合があります。
このような場合には、同順位の抵当権の枠の中に複数の銀行が併存する場合があります。
同順位抵当権設定によるファイナンスです。
これで気を付けなくてはいけないのが、A銀行だと対応できるがB信用金庫だと対応できないという事態が生じてくることがあります。
事前に対応してくれるのかヒアリングが必要となります。
保証協会の有担保保証
銀行が抵当権を設定したあとに保証協会に全て担保枠を差し入れるにせよ、保証協会が抵当権を設定するにせよ信用保証料が生じてきます。
これは金利以外に信用保証料が生じることになるためダブルの調達コストが生じるという観点からは積極的に利用すべきでないです。
利用を検討していいのは、銀行の担保付きプロパー融資よりも保証協会の有担保保証の方が融資額が伸びる場合です。