用語の意味
エクイティ
ビジネスで利用されるエクイティの意味は、下記のニュアンスでつかわれます。
事業会社の場合は、株主資本ですので純資産のことです。
不動産の場合は、取得する不動産の自己資金部分を意味します。
エクイティファイナンス
ファイナンスサービス(金融サービス)は、大きくわけると3つの構造(トランシェ)ができます。
デッドファイナンス
わかりやすいのは銀行融資です。
事業会社の過去の実績や不動産などを担保として返済見込みがある先に対する金融サービスです。
メザニンファイナンス
劣後特約付き社債、議決権がない配当優先出資などです。
デッドとエクイティの間の層です。
金利10%~、最低1億円、中央値10億円という金融サービスです。
劣後特約付き社債か議決権がない配当優先出資は、借り手と貸し手の交渉材料になることが多いです。
議決権がない配当優先出資でも、業績悪化などで議決権ありの出資に代わる条項が付されている場合もあります。
エクイティファイナンス
議決権のある出資、転換社債、新株予約権などです。
わかりやすいのは、社長が会社を立ち上げたときに会社へ出資する資本金のことです。
事業の特性上、金融機関からの融資がうけずらい産業(ゲーム産業、IT産業など)もエクイティを利用します。
エクイティ業者の投資リターンの目線は、概ねIRR30%~50%といわれています。
IRR30%を簡単にいうと、投資額100円、リターンが300円ということです。
リターンは、配当なのか、業務委託料なのか、株の売却益なのか、は投資スキームになります。
エクイティファイナンスを利用するときの注意点
接触方法
エクイティファイナンスを取り扱う業者は、大きく分けて、銀行系、事業会社系、独立系、政府系、個人になります。
エクイティファイナンスは、各業者によってどの投資先に投資するかを選別しています。
この投資先の選別に、投資ラウンドという考え方があります。
エクイティ業者は、常に投資案件をさがしています。
テレアポや紹介でも「一度話を聞きましょうか。」という展開になりやすいです。
テレアポは、Googleで「PEファンド 一覧」などで検索して、リストをつくって電話するだけです。
1時間ぐらいで50社ぐらいは電話候補がでてきます。
筆者のなかで、エクイティファイナンスの資金調達方法は、ローラー作戦が一番効果的だと思います。
面談時は、作りこまれたパワポを提供されて投資手法や投資対象について説明をうけます。
申込から着金
エクイティファイナンスは、銀行融資のようなデッドよりも審査時間が長いです。
申込から着金まで、6ヵ月はみた方がいいです。
審査申込中に計画と実績が、ズレた場合は、再審査ということは日常茶飯事です。
コントロール
会社の議決権をとるか、とらないかは、エクイティ業者の判断になります。
独立系のエクイティ業者は、会社の議決権の50%を超とらないと、投資対象にならないという先が多いイメージです。
投資対象とならない業種
事業会社への投資の場合は、ファンド規約などによって、金融業、不動産業を投資対象としないことがあります。
投資回収方法
エクイティ業者は、最終的に銀行融資と同じで投資元本の回収をします。
その回収手段は、下記のとおりです。
①事業計画どおりIPOできた株式を売り抜けた。
②事業計画どおりIPOできなかった場合は、契約当時に締結した投資契約通りの株価算定方式で株価を決めて売買する。
このときの売買の相手先は、投資対象会社、投資対象会社の代表者、第三者になります。
投資対象会社が債務超過の場合は、会社法の規定で自己株式の取得が無理です。
投資対象会社の代表者の場合は、会社が代表者にお金を貸して(役員貸付)、そのお金でエクイティ業者と代表者で株の売買をします。
既存行の反応
請求的期限の利益喪失事由
銀行融資を利用するときは、銀行取引約定を銀行と債務者でかわします。
このなかには、請求的期限の利益喪失事由が記載されています。
これは、株主や代表者がかわったなどの会社経営で重大な事象がおこると、銀行側に一括弁済を求めることができる、というものです。
ですので、エクイティファイナンスを利用するときは、事前に銀行へ相談した方が無難です。
非居住者(外国法人、外国人)が株主
日本の金融機関は、外国法人や日本国籍を持たない外国人が25%以上出資している会社への融資がネガティブです。
出資を受け入れたら銀行融資がダメになった!ということもありえます。
代表者の連帯保証
エクイティ業者からの金融支援をうけても銀行融資につく代表者の連帯保証は外れたりしないです。
資金繰り等の財務、税務、会計をオールインワンで解決!