本件記事は、事業者でクラウドファンディングの活用を検討されている方向けに構成しています。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、起案者(事業者など)がクラウドファンディング業者を通じて不特定多数の者からお金を集める行為と思ってもらって大丈夫です。
お金の流れは、下記チャートがプレーンなパターンです。
クラウドファンディングの種類(商品一覧)
クラウドファンディングの主流は、売買型、寄附型、融資型、出資型になっています。
順を追って説明します。
売買型
プレーンな使い方は、飲食店等の新規オープンのときに飲食割引券を買い取ってもらうことが想定できます。
タベログ等の広告媒体以外の広告効果が期待できるスキームとなっています。
審査内容
寄附型の場合は、クラウドファンディング業者より資金使途(目的、何にお金を使うのか)が重要になります。
資金繰りが厳しいので運転資金(諸経費の支払)と利用したいは資金使途が明確でないと判断される場合があります。
分かりやすいのは、新規出店です。この店を作りたいので出店に係る物件取得、内装建築費にお金を利用したいというものです。
さらに、クラウドファンディング業者から事業者に対して行政上の許認可(※飲食業者なら営業許可証等)の開示が求められます。
会計処理(税金)
寄附型
寄附型は、基本的に売買型と似ています。
異なる点は、売買型が商品券等を出資者に渡しますが、寄附型ですと単純な寄附になります。
会計処理(税金)
融資型
プレーンな使い方は、不動産業者への商品不動産仕入れ資金です。
簡単な区分マンションの売買は金融機関の融資がつきます。
クラウドファンディングでの資金調達は、金融機関からの融資がつきずらい、融資額が伸びない下記のようなプロジェクトに利用されます。
違反物件のプロジェクト
無登記の建物が絡むプロジェクト
地上げが絡むプロジェクト※地上げが完了した場合は、民間金融機関へ借り換えする場合があります。
2023年1月時点で融資型クラウドファンディング業者は、15社ほど存在します(塩見調べ)。
担保
ほぼ全てのクラウドファンディング業者は、何らかの担保を求めます。
担保の種類は、預金、不動産、有価証券、生命保険契約、敷金債権、在庫といった動産です。
債務者が切る手形は担保にならないです。空手形になる可能性があるからです。
取り扱い可能、不可能の担保は、クラウドファンディング業者によって異なります。
無担保での資金の募集を行うクラウドファンディング業者は、1社のみ確認ができました。
LTV(Loan To Value)
担保があったとしても担保以上の融資はしないです。
要するに、LTV100%超の融資がないということです。
クラウドファンディング業者が行った担保評価に対して70%位の掛け目になります。
ポイントは、クラウドファンディング業者が行った担保評価です。
筆者の実務を通じて感じたことは、金融機関の担保評価よりも緩い感じがしています。
会計処理
財務内容
融資型クラウドファンディングの場合は、事業者の財務内容も審査対象となります。
債務超過であったり、過剰融資、赤字決算の会社は、審査が厳しくなる傾向にあります。
出資型
出資型クラウドファンディングは、まさしく増資です。
クラウドファンディングによる審査は、IPOできるのかがポイントになってきます。
ですので、一時的にエクイティでの資金調達をし、数年後に有償減資をする手法ができないということです。
再生ファンドのような大幅な債務超過を埋めるための増資というようなクラウドファンディングもないということです。
会計処理
クラウドファンディングのやり方
スケジュールは、申込、審査、公開、着金となります。
申込、審査で1ヵ月位が目線で、公開、着金まで1ヵ月位みたらいいので申込から2ヵ月で着金が目線となります。
クラウドファンディングのメリット・デメリット
メリット
企業の知名度があがることです。
デメリット
金融機関は、金融機関以外から資金調達をした場合に距離をおくことがあります。
企業の決算書の付属資料である勘定科目内訳書の借入金の欄には、クラウドファンディング業者の名前がでます。
クラウドファンディングの手数料
クラウドファンディング業者に支払う手数料は、下記のとおりです。
売買型
相場は、集まったお金に対して10%(税抜)が目線となります。
寄附型
相場は、上記売買型と同じで集まったお金に対して10%(税抜)が目線となります。
融資型
融資型は、2種類の手数料があります。
1つ目は、融資実行時の融資事務手数料です。融資型の2%前後です。
2つ目は、融資金利です。
出来上がりの金利が6%だとすると、2%クラウドファンディング業者、4%出資者でシェアといった感じです。
出資型
相場は、集まったお金に対して20%(税抜)が目線となります。
反社会的勢力への対応
クラウドファンディング業者における、いわゆる反社チェックは、金融機関よりも厳しいです。
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