収益不動産の与信判断について説明します。
不動産担保ローンは、住宅用なのか、プロジェクト用なのか、収益用(投資用)なのか、自社利用なのかで担保評価の仕方がかわります。
担保評価は、融資審査時の現況の利用目的に沿っておこないます。
基本的な融資審査の仕方
収益不動産の与信判断は、返済原資がその不動産の家賃収入になります。
ですので、基本的にはその不動産単体で融資を完済できるのかどうかで判断します。
返済期間は、概ね法人税法上の耐用年数、それに±10年といったところです。
メガバンクや地方銀行は▲10年が多いイメージですし、信用金庫、信用組合は+10年のイメージです。
融資額は、実勢価格、収益価格、積算価格に掛け目をいれていきます。
これで大体の融資条件の目線ができあがります。
この融資条件の目線付けをすることによって自身で買える不動産、買えない不動産がおのずとわかってきます。
加点、減点の仕方
基本的な融資審査は、収益不動産の返済能力をみますが、そこに債務者の状況で加点、減点していきます。
まずは、加点項目を説明します。
加点することによって融資額、返済条件、金利が変わるイメージです。
返済期間はのびないと思ってもらえたら大丈夫です。
代表的なのは士業、公務員、上場会社の役員や正社員は属人評価があがります。
そのほかに財務内容のいい事業会社もここに含まれて行きます。
次は、減点項目を説明します。
どんなに債務者の属性がよくても次のようなケースだと減点対象となります。
すでに収益不動産をもっている場合が代表例です。
この既に持っている収益不動産は2つの側面で審査していきます。
一つ目は、きちんと既に保有している収益不動産がNCF>返済になっているのかです。
目線は、返済が100%補えていればOKです。
二つ目は、すでにもっている収益不動産の帳簿価額と金融機関の時価評価の査定です。
時価評価は各金融機関で異なってきます。
これはいわゆる簿価純資産を実態純資産に置き換える作業です。
メガバンクや地方銀行ほど担保評価は厳しくなっていきます。
東京都内の不動産ですと実勢価格よりも担保評価が低くなるため実態債務超過という債務者が多いといえます。
区分マンションも時価評価が伸びないので、すぐに債務超過になります。