お金の借り方の類型は、基本的に3パターンで説明できます。
レンダーさんは、この3パターンのお金の貸し方に、融資条件や特約をつけたりして債務者さんにお金を借りてもらいます。
社債の引受は、お金の貸し借りでないので、また話がかわってきます。
証書貸付
証書貸付は金銭消費貸借契約を債権者と債務者で結びます。
貸付期間が1年超のものに用いられます。
主にコーポレートファイナンスにおける長期の運転資金や設備資金で利用される方法です。
その特徴は、下記のとおりです。
レンダーさん側にとって作業に手間がかかります。
法人の場合は、契約締結と同時に代表者の連帯保証がセットになっています。
印紙税は、金銭消費貸借契約が印紙税法の1号文書に該当しますので、手形貸付と比較して割高となっております。
融資条件であるコミットメントラインや金利の種類を変更させるといった特約を付けたりすることもできます。
手形貸付
手形貸付は、債務者が商業手形を発行して、それをレンダーが引き受けて融資するというものです。
貸付期間が1年以内のものに用いられます。
主にコーポレートファイナンスにおける納税、賞与、季節資金といった短期の運転資金や不動産の買取再販売といった仕入れ資金で利用される方法です。
その特徴は、下記のとおりです。
レンダーさん側にとって作業に手間がかからないです。
法人の場合は、証書貸付と異なり代表者の根保証や個別保証が求められます。
一般的に根保証でやります。根保証は、極度は融資上限額の120%で保証期間3年といった感じです。
融資上限額を融資極度の120%にする理由は、融資債権のデフォルト時の2年分の利息及び遅延利息を保全するためです。
印紙税は、手形が印紙税法の3号文書に該当しますので、証書貸付と比較すると割安になっております。
手形割引という手法も手形貸付にあります。
これは手形を債務者がレンダーに持ちこんでその手形を担保に融資をうける方法です。
手形の信用を使った融資手法ですので手形の銘柄(振出人)が重要になります。
手形貸付の場合は、融通手形だと判断されると融資を断れる場合がほとんどです。
融通手形の特徴は、商流に関係のない業者が振り出した手形、決済まで4月以上の長期であること、金額が綺麗な数字であること、です。
当座貸越
当座貸越は、債権者と債務者の間で当座貸越契約を結びます。
当座貸越は、融資限度額(極度額)をあらかじめきめておきます。
ですので、一定の信用がある会社でないと当座の枠がつくれないです。
この融資限度額は、決算の度に改定され増減していきます。
この融資の使い方は、短期の貸付を何度もやります。別名リボルバーやアンコミットメントラインともいいます。
手形貸付を、資金使途がでる度に申し込んでいると融資謝絶される恐れがあります。
ですが、この当座貸越は、極度の範囲で融資できますと約束しておくので融資謝絶の恐れが軽減されます。
絶対に融資すると確約する融資手法をコミットメントラインともいいます。