ソルトルック株式会社/塩見健二税理士事務所
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事業再生 2020.03.20
  • 事業再生ファンドの活用を検討する場合の目線

事業再生ファンドからの支援を取り付けるときの目線を説明します。

このテーマを選んだ理由は、コロナウイルスの蔓延に伴って企業業績が一時的に悪化して再生案件になる企業が今後現れるからです。

 

事業再生ファンドが投資先としてみる判断基準

各事業再生ファンドによって投資目線はかわってきますが、大枠はつぎのような感じです。

イ 投資額は1億円以上

ロ 投資期間は、3年~5年

ハ 一時的な業績の悪化であり黒字化がみえている、ないしは不採算部門を切り離せば黒字化がみえている

ニ 既存行とコミュニケーションがとれる

 

事業再生ファンドの利用方法

事業再生ファンドの活用を検討する局面は、すでに取引のある金融機関からの金融支援がうけられなくなった状態です。

その代表的な例としては、下記のとおりです。

財務内容が悪すぎて追加支援の土台にのらない。こんな局面は、優先配当の特約のついた種類株式を取得することによるエクイティ支援になります。

すでに不動産の担保余力を使い切っている。金融機関の不動産の担保評価は基本的に積算評価で行います。ですので、実勢価格との乖離が多きくなります。

事業再生ファンドによっては、実勢価格に近い担保評価をするので、そこに担保余力を見出してジュニアファイナンス(二番抵当)を打つといったデッド支援になります。

あと、資金使途ですがリストラ資金(店舗撤退による退職金、大家さん、リース会社に支払う違約金等)、経常運転資金といったところです。

 

事業再生ファンドの投資条件

事業再生ファンドを活用する場合の投資条件は下記がマストになってくると考えられます。

金利負担は7%~となります。ですので、仮に、1億円を7%で借りても金利負担が大きくない会社が前提となります。

既存行が金融支援を示している。

一例としては、こんな感じです。

メイン行がファンドと協調して投資期間にあった真水資金を期限一括弁済で融資する。

サブ行は、投資期間中に元本据置きに同意する。

DIPファイナンスのときは、企業が破産しても銀行債権に対して優先弁済を受けられる。

とこんな感じです。

 

再生支援協議会の活用

事業再生ファンドへの案件の持ち込み方は、さまざまです。

メイン行からの持ち込みやコンサルティング会社の持ち込みが多いといえます。

コンサルティング会社からの案件の持ち込みの場合は、再生支援協議会を巻き込んで作業を進める場合が多いです。

再生支援協議会は、2回の審査があります。

ほとんどの案件が1回でおります。

これはリスケ交渉だけです。

2回目になりますとガッツリとした再生案件へのサービスとなっていきます。