プロジェクトファイナンスにおけるリファイナンスの実務を説明します。
この内容をテーマにしたのも最近の不動産価格の高騰に伴い融資期限までに販売できない不動産業者が増えてきているからです。
進捗状況のヒアリング
買取→リフォーム→再販売、簡単な開発、解体土地売り、簡単な立退きといったプロジェクト融資は12ヶ月の返済期限です。
ですが、買手が現れなかった、立退きが難航した、といった理由から12ヶ月で売却できずに借入金が完済できない場合があります。
このようなときは、返済期限の2月前位からそのプロジェクトに融資をしているレンダーや新規のプロジェクト融資の申込をしているレンダーから
そのプロジェクトの進捗をヒアリングされます。
とくに新規のプロジェクト融資を申し込んでいる先が銀行ですと融資の見送りもありえますので注意した方がいいです。
リファイナンスへの対応方法
リファイナンスは、大きく分けて5つの方法が考えられます。
1つ目は、期間延長です。
このやり方が多いのは、もう少しで開発が終わりそう、もう売買契約は結んでいるが決済がまだです。というような出口が見えているときにあります。
2つ目は、内入れ弁済です。
ノンバンクに多いやり方です。融資額の10%を内入れ弁済してくれたらリファイに応じます。といった感じです。
3つ目は、利上げです。
これは期間延長とセットでなされる場合が多いです。こちらは出口が見えていないときに金利が0.300%位あがるといった感じです。
4つ目は、他社への借換えです。
これはレンダーがリファイナンスに応じないプロジェクトです。立退きが難航しているとかで出口がみえない場合です。
このようなプロジェクトでこけた場合のリファイナンスは、金利10%~といったレンダーからの融資を検討します。
5つ目は、粗損失での売却です。
どんな不動産でも値段が下がれば買手がみつかります。
ですので、1億円の債務に対して、売却額が0.9億円の場合は、0.1億円の自己資金投入で抵当権を抹消させてプロジェクトを終わらせます。
仮に、融資元本が返せない場合は、抵当権の抹消がありえませんので任意売却、競売といった流れになります。
リファイナンス前提のプロジェクト
そもそもこのプロジェクトは、10ヶ月や12ヶ月で終わらないプロジェクトも世の中には存在します。
商業店舗の立退きがからむプロジェクトは、長いことかかります。
こういうプロジェクトの場合は、当初の金銭消費貸借契約を締結するときにあらかじめレンダー側とリファイ前提だと口約束しておきます。