設備投資を単独リースや協調リースでファイナンスしたときの実務上の勘所や注意点を説明します。
リースを検討する局面
そもそもの話ですが、リース取引は金融の一手段です。
金融の基本的な考え方は、クレジットが強いと金利が低くなりますし、クレジットが弱いと金利が高くなるものです。
この考え方で金融実務をみてみますと、メガバンク→地方銀行→信用金庫→リースといった構造がみえてきます。
ですので、リース取引を検討する局面は銀行や信用金庫といった金融機関から融資が謝絶されたときにリースが検討しえるタイミングと考えていいです。
金融機関が融資を謝絶するパターンは大まか次の3つに集約できます。
1つ目は、信用保証協会に保証を謝絶されたり、担保である有価証券や不動産がないため債権に十分なプロテクト(保全)がとれておらず貸倒れリスクが高い場合です。
2つ目は、信用保証協会の保証にも紐づきますが債務超過、2期以上の連続赤字、リスケジュールといったクレジットが傷んでいる場合です。
3つ目は、新規事業の開始の局面で今後の先行きが不透明な場合です。創業融資は、このパターンに該当します。
リース取引特有の金融上の留意点
リース取引をする上で注意しないといけない点は、2つあります。
1つ目は、金融コストの考え方が金利でなく料率という考え方をします。
この料率を金利に引き直すと結構な金利になる場合がほとんどです。
ですので、一度、金利換算してみて、どのくらいが金融コストなのか検証してみる必要があります。
この料率は、リース会社によって異なってきます。
リース会社にも審査の厳しいところや審査の緩いところが存在します。
2つ目は、リース取引特有の返済方法であるアドオン方式です。
アドオン方式とは、すでに金融コストが元本にオンされています。
ですので、リースの繰上弁済をした場合に将来発生する金融コストを支払う羽目になります。
連帯保証人
金融機関からの融資の場合は、法人融資ですと連帯保証人が代表取締役とすることのみが多いです。
いわゆる代表者保証です。
最近は、代表者保証も免除される融資条件もでてきております。
ですので、金融機関からの融資は、第三者の連帯保証人はあまり考えなくても大丈夫です。
あまり業績がよくない場合は、第三者の連帯保証を求められることもあります。
リース取引においても金融機関からの融資と同じと考えてもらって大丈夫です。
業績が悪い、借入が多いと第三者の連帯保証が求められます。
当然に第三者の連帯保証人には、債務の弁済可能性がみられます。
ですので、年金生活者等は連帯保証人としてみられない可能性があります。
リース取引の会計、税務
リース取引は、原則としてリース資産とリース債務でオンバランスすることになっています。
オンバランスすることによって純資産比率が減少してしまいます。
リース資産の減価償却方法は、リース期間で償却していきます。
リース債務は、リース料の支払いをリース債務の弁済として処理します。
リース取引が300万円未満の場合は、上記の処理が不要です。
ですので、リース料の支払い時にリース料として処理するだけです。
消費税の税率は、リース取引をした時の税率が適用されます。