違反建築物の概要
建築確認を取得した図面通りに建物が建築されていない物件は、世の中に多数存在します。
このような不動産は、建築基準法に規定する建ぺい率や容積率をオーバーしていたり、高さ制限、用途に抵触しています。
当然に、建築確認がとれた図面通りの建物でないことから検査済証は、行政からもらえないです。
資金調達先の目線
このような違反建築物件への融資は、銀行、信用金庫、信用組合からの低利での資金調達が困難です。
ただ、事業計画や違反建築の内容によっては、信用金庫や信用組合で融資審査の土台にのってきます。
ノンバンクからの資金調達は、違反建築物件であっても何ら問題ないです。
事業計画の内容
違反建築物件に対する資金調達の肝は、事業計画です。
事業計画で大切なのは、計画自体の蓋然性(※実行できるのか)にあります。
違反建築物件に関する事業計画で多いのは下記のパターンです。
・解体土地売り
解体土地売りは、税務上の耐用年数超えの古家付きを解体して更地で転売する事業です。
・尊法性の確保
建築違反部位を是正して、尊法性ある建物にリフォームして再販売します。
違反内容によっては、事業自体の難易度がかわります。
建物の一部を改良したり、立退きをする計画は、難易度があがります。
ですので、おのずと融資額も満足いく数字にならないです。
プレハブの撤去やエアコンの室外機の移設などの簡易なリフォームだと難易度は低い傾向にあります。
そもそも建ぺい率オーバーも5%未満なら目をつぶるという金融機関もあります。
金融機関の融資額の作り方
担保評価は、金融機関独自の方法があります。
独自の目線とは、収益評価何%、積算評価何%の割合などです。
そこに掛目をいれていきます。
この不動産の担保評価を算出するための基礎資料を作成する不動産鑑定会社は、どこの金融機関も似たような先を利用していることが多いです。
個人的には、東京カンテイを利用している金融機関が多いイメージです。
担保評価は、大きな土地の不動産ほど担保評価が大きくなるものです。
信用貸し部分
担保評価は、金融機関独自の算出方法で算定します。
そこに金融機関は、信用貸しが、いくらまでいけるかを検討します。
このいくらまで伸びるかは、プロジェクトの実績、過去の融資実績数、財務内容、その金融機関においてある預金量などで増減します。
ノンバンクの融資目線
ノンバンクの融資目線は、金融機関の行う信用貸し部分がないと思ってもらって結構です。
ノンバンクの違反建築不動産に対する融資額の提案で多いのは、「土地値▲解体費用」になります。
土地値の評価方法は、ノンバンクによって異なります。
実勢評価なのか、積算評価をいれるのか等です。
ノンバンクの中には、独自の評価手法(※違反物件の利回り等)で担保評価をして融資額が伸びるところもあります。
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