エリアが悪い不動産は、得てして利回りがいいものです。
理由としては銀行融資がつかないためです。融資がつかないため取引価額がさがります。
エリアが悪い不動産の事例
本稿においては、エリアが悪い不動産を流動性の低いエリア、洪水被害のあるエリア、将来にわたって人口減が著しいエリアとします。
流動性の低いエリアの見方のポイントとしては、実勢価額が積算価額を下回っていることです。
実勢価額の参考は、国土交通省がデータを公表していますし、積算価額は国税庁がデータを公表しています。
積算価額は、その土地の本来的価値の参考値です。売れないから参考値よりも下値で取引されているといういことです。
洪水被害のあるエリアの見方のポイントしては、市区町村が発表しているハザードマップです。
洪水、土砂崩れ地域は要注意です。その不動産が床上浸水の履歴がある場合はアウトです。
将来にわたって人口減が著しいエリアは、「市区町村の名前、人口推移」でググるとデータがでてきます。
流動性の低いエリアとリンクしています。
このようなエリアが悪い不動産への融資付けの実務を次からみていきます。
プロパー融資の目線
エリアが悪い不動産への融資は、そもそもネガティブです。
流動性の低いエリア、人口減のエリアについては、その地場の銀行に融資を申し込んだ場合、ほとんどが融資謝絶や積算評価での融資提案となります。
その理由は、その地場に根差した銀行であるが故に地域の特性を熟知しているからです。
逆に、全く地域と関係のない銀行は融資が伸びたりもします。地域事情を知らないために収益還元評価の割合を多めに評価してくれたりします。
信用保証協会付き融資の検討
銀行のプロパー融資で担保評価が伸びず融資提案額が少ない場合は保証協会付き融資も検討します。
ですが、エリアが悪い不動産にいたっては銀行は保証協会付きだからといって債権が保全されていてもやりたがらないものです。
保全がとれているからといって債権にリファイや事故が生じることを避けたいというのが融資担当者の意見といったところです。
ノンバンクからの融資目線
ノンバンクは金利が銀行よりも高いので利用は避けたいところですが、融資がつかないとプロジェクトにならないので検討します。
とくに金利10%以下のノンバンクの方が銀行よりも担保評価を厳しくみる傾向にあります。
金利10%~15%までのノンバンクは現況の家賃収入を用いて収益還元で担保評価してくれるので融資は伸びやすいです。
ただ、金利10%超で融資をひくと、そのプロジェクトの収支は赤字になっていると考えられます。
まとめ
エリアが悪い不動産で銀行から融資が付く見込みがない場合は、そもそもプロジェクトとして成り立たないことを視野にいれた方がいいです。
ですので、プロジェクトではなく三為で検討できるかを再検討した方がいいです。
三為で出口がみつからない可能性がある場合は、手付金解除を検討された方がいいです。