相続対策の一環として、いわゆる節税商品を購入する場合があります。
今日は、この節税商品の種類と融資が利用できるかを説明します。
節税商品は、のちのちに投資元本が回収できないリスクを内包しているものも多いようです。
節税商品のからくり
相続税の計算は、ざっくりいいますと被相続人の資産から債務を差し引いた純資産価額に課税される税目です。
このときの資産の価額は、実勢価額と異なり評価額を利用しまし、負債の価額は、債務額で評価していきます。
資産の圧縮でわかりやすい事例は、東京都の主要5区の区分マンションです。
この区分マンションは、実勢価額と評価額が大幅に乖離しています。
この大幅な乖離を利用するのが節税につながるというものです。
この区分マンションを自己資金で買うのでなく、ローンを利用したらより節税に利用することができるということです。
余談ですが、課税当局も行き過ぎた節税に待ったをかけるために納税者が行った評価について否認している事例もでてきています。
節税商品の種類と融資利用の可否
節税商品で出回っている商品は、下記のとおりです。
収益不動産、船舶、航空機、コンテナ等のオペレーティングリース、太陽光パネル、コインランドリー、航空機一機買い、不動産の小口ファンド、大手証券会社が設定するファンドです。
収益不動産は、プレーンな節税商品です。融資は、銀行、ノンバンク、信販会社と利用可能です。
船舶、航空機、コンテナ等のオペレーティングリースは、1ショット3000万円~といったものです。
10年以上資金ロックがされます。
融資利用はできないので自己資金になります。
太陽光パネルは、どの税制を利用するかによって償却速度がかわってくるものです。
投資額は、1,000万円~になっています。
融資は、金融機関(※投資エリアによります。)、ノンバンク、信販会社で対応可能です。
コインランドリーは、投資初年度に70%前後の償却ができます。
投資額は、3,000万円~になっています。
融資は、金融機関、ノンバンク、信販会社となります。
航空機の一機買いは、投資額40億円~です。共同所有もでき、その場合は、4億円~の投資額になります。
航空機は、登記できますので金融機関からの融資が可能です。
不動産の小口ファンドは、実勢価額と評価額に大きな乖離がある商品になっています。
人気商品は、都内一等地の店舗ビルの小口や人気レジデンスエリアの外見がパリッとしたマンションのようです。
こちらは、融資が利用できないため自己資金の対応となります。
最後に私募ファンドです。
こちらは大手金融業者が組成した事業承継ファンド等を買っていく商品になります。
比較的に安全な投資対象のためIRR20%~30%、3年といった感じのものが多いです。