開業までのスケジュール
クリニックをスケルトンから開業する場合の開業までのスケジュールの目安です。
現在は、給湯器や冷蔵庫等の在庫が不足しているため内装工事に時間がかかる可能性があります。
開業医の開業方法は、下記にも開設しますが、クリニックの事業譲渡と居抜きもあります。
役所への届出
病院を開業するにあたって絶対に必要なことは行政に届出書を提出することからはじまります。
東京都の場合ですと東京都福祉保健局に届出書を提出することになります。
この行政への届出書を提出し営業の許可証をもらう作業は手間です。
ですので、行政書士に依頼することをオススメします。
行政書士報酬は、個人開業なのか医療法人なのか、エックス線を置くのかなどで手数料はかわってきます。
ざっくり20万円位を見ておけば大丈夫です。
物件取得と同時並行で行政手続きはしておいた方がいいです。
出店資金の目安
開業医がクリニックを作るにあたっては、診療科によって大きく資金調達額がかわってきます。
出店資金は、物件取得、内装設備、運転資金に分解できます。
物件取得と内装設備を合わせて設備資金といったりもします。
物件取得
物件取得とは、不動産の購入や賃借することです。
ちなみに、東京都内の港区、渋谷区、中央区、千代田区で店舗を賃借しようとした場合は、家賃の10ヵ月分が目線になります。
その内訳は、敷金6ヵ月、礼金1ヵ月、前家賃1ヵ月、仲介手数料1ヵ月、信用保証料1ヵ月となります。
医業NGというビルもありますし、メディカルビルになると賃料が高めに設定されている場合もあります。
内装設備
内装設備については、各診療科によって設備投資額の目線がかわってきます。
内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、整形外科で2,000万円~3,500万円です。
皮膚科、精神科で500万円です。
運転資金
開業時の運転資金は、人材採用、広告宣伝、諸雑費、保険診療報酬で構成されていきます。
人材採用は、スタッフの研修として1ヵ月分の給与が目安です。
社会保険料込みで一人30万円位でみたら大丈夫です。
広告宣伝は、ざっくり100万円位みたら大丈夫です。
諸雑費も、ざっくり100万円位みたいら大丈夫です。
保険診療報酬は、売上月の2ヵ月先に入金となりますので、ざっくり1000万円位みたら大丈夫となります。
協調融資の検討
協調融資でよく利用される手法は、日本政策公庫と信用保証協会付き融資です。
例えば、日本政策金融公庫に物件取得資金で信用保証協会付き融資で内装設備と運転資金みたいな組み合わせです。
協調融資は、蜜に連絡を取り合う必要があるため少し手間になってきます。
補助金の概要
医業の開業にも補助金は、存在します。
エアコン、IT、テレワーク等があります。
補助金のおまとめサイトはこちらになります。
補助金は、申込から着金まで6ヵ月以上かかるものと考えてもらって大丈夫です。
補助金申請は、手間ですので行政書士に丸投げすることをオススメします。
資金調達先の候補
日本政策金融公庫からの資金調達
日本政策金融公庫からの資金調達は、スタートアップ企業ですとオーソドックスな手法です。
スタートアップでの資金調達の目線は、自己資金の3倍になります。
事業活動のない人への融資は、過去のその人の人柄が審査対象となるようです。
資金使途がない運転資金の場合は300万円といったものもあります。
ただ、医業で保険診療を行う場合は、入金が2月先になりますので運転資金の資金調達として利用してもいいとおもいます。
審査の特徴としては、預金通帳の原本を過去6ヵ月分を提出することにです。
初回取引ですと申込から着金まで2ヵ月は見た方がいいです。
信用保証協会付き融資での資金調達
信用保証協会付き融資は、民間銀行からの融資で信用保証協会の保証を付けて融資になります。
こちらは、日本政策金融公庫の融資審査よりも若干厳しい審査になる傾向があるとおもいます。
物件取得、設備資金、運転資金が多額になる場合は、日本政策金融公庫との協調融資という手段もあります。
この協調融資は、音頭をとる人間が必要になってきます。
税理士が、出店計画を作って、それを日本政策金融公庫と金融機関にプレゼンすることもあります。
初回取引ですと申込から着金まで2ヵ月は見た方がいいです。
オリックス保証付融資での資金調達
こちらの保証商品は、全ての金融機関で利用できるものでないです。
東海圏、近畿圏の金融機関は取扱いがないところが多いです。
利用できる金融機関は下記のとおりです。
オリックス保証の注意点は、オリックスに支払う信用保証料が非常に高額です。
あとは、オリックス保証の保証上限額は、金融機関によって5000万円だったり、2500万円だったりします。
融資期間も1年以内の短期資金は利用できない、利用できると金融機関によってかわってきます。
保証が付される条件として、既に1年以上の返済実績が必要であったり創業期から可であったりと金融機関によって異なってきます。
このようにオリックス保証は、金融機関によって保証条件が異なるので確認が必要となります。 初回取引ですと申込から着金まで2ヵ月は見た方がいいです。
開業医に限定されたシャープファイナンス保証
開業医に限定されたシャープファイナンス保証があります。
こちらの保証商品は、みずほ銀行が発売融資である「みずほクリニックアシスト」向けになっています。
商品概要は、下記のとおりです。 開業時を含む、設備、運転資金に利用できます。
融資量は、最大1億円となっています。
返済期間は、最大15年です。
初回取引ですと申込から着金まで2ヵ月は見た方がいいです。
医師会の信用組合からの資金調達
医業は他の業会と異なっている点は、医業専門の信用組合や独立行政法人が存在することです。
例えば独立行政法人福祉医療機構は、民間金融機関よりも緩い条件で融資審査をしてくれます。
リース・割賦による資金調達
リースや割賦の場合は、金融機関からの資金調達コストより割高になります。
内装ですと割賦取引、設備ですとリース取引となります。
初回取引ですと申込から着金まで2ヵ月は見た方がいいです。
自己資金の目線
クリニックの開業についての自己資金の目線は、物件取得、内装設備、運転資金といった総投資額10%~20%となっています。
物件取得1,500万円、内装設備2,500万円、運転資金1,000万円で計5,000万円かかるなら500万円~1,000万円の貯金が必要になります。
ここで重要となるのが、すでに借金で持ち家や自動車等を購入している場合は、与信枠が削られます。
そうなりますと、もう少し自己資金の負担が増える可能性があります。
銀行等の金融機関からの資金調達は、初回取引ですと申込から着金まで2ヵ月はかかります。
ですので、開業予定日から設備工事と物件取得日を逆算して、そこから2ヵ月以上前に事前に、いくらぐらい自己資金が必要なのかを金融機関に相談したらいいとおもいます。
設備工事は、2022年7月時点ですと給湯器の入荷が難しいので予定以上に設備工事に日数を要します。
メディカルサポート法人の設立
個人開業医は、メディカルサポート法人をよく設立します。
メディカルサポート法人は、医業以外の業務である経理総務人事といった本部業務や商材の発注業務等を一括管理する法人です。
メディカルサポート法人も開業医個人からの売上入金サイトが商材の支払サイトよりも遅いです。
ですので、メディカルサポート法人も融資を受ける必要がでてきます。
法人設立から融資申し込み着金まで、最低3ヵ月はみておいた方がいいです。
法人の設立は、株式会社で30万円、合同会社で20万円が目安になります。
よく株式会社と合同会社は、何が違うのか?と質問をされます。
特段、何も変わらないです。
契約等で名前がよくでてくるようでしたら株式会社を設立した方がいいです。
医師は収益不動産を保有する会社を設立しますが、この場合は合同会社が多いです。
クリニックのM&A(事業譲渡)と居抜き
M&A(事業譲渡)と居抜きの違いは、ざっくりいいますと、物件、人、お客さんがついているのが事業譲渡で、内装だけが居抜きです。
M&A(事業譲渡)
開業手段としては、売りにでているクリニックを買いにいくのも手段です。
クリニックのM&Aサイトは、Googleで「クリニック M&A」で検索したらヒットします。
資金調達は、日本政策金融公庫も信用保証協会も事業承継向きの商品があります。
居抜き
クリニックの居抜き物件は、Googleで「クリニック 居抜き 地名」で検索したらヒットします。
居抜き物件は、初期の設備投資が割安ですし、行政手続きも済んでいますので出店が楽です。
ですが、出店に失敗して撤退した可能性があります。
不動産仲介業者に、前の賃借人が何年借りていたのか、なぜ事業を辞めたのか、を確認した方がいいです。
そもそもクリニックのニーズがない地域、強い競合がいる地域、近隣に反社会的勢力がいる、その他の可能性もありえます。
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