市区町村は、独自の制度融資をつくってその市区町村で事業を営んでいる事業者をしています。
この制度融資の実務を説明します。
制度融資の特徴
制度融資の特徴は、信用保証協会の保証商品やセーフティネット保証という粗方の保証商品に市区町村が独自にプラスで利子補給や信用保証料の肩代わりといったオプションが付されている商品が多いです。
端的にいえば、お得な融資商品ということです。
お得なのはいいのですが、その適用要件にはいろいろと制限が加わったりしています。
その内容は、以下のとおりです。
一つ目は、融資枠が小さいです。大体500万円~1500万円です。
このように融資枠の小さな制度融資は、市区町村に出向いて認定をとったり、中小企業診断士の指導を受けたり、と手間な割がかかるのに資金調達額が小さいです。
そのため他の融資商品と比較すると不人気な融資商品もあるということです。
人気のある融資商品は、融資量が大きく、審査が緩いもの、になってきます。
金融機関も小さいロットも大きいロットも手間は同じなので大きなロットを取れるほうをオススメしてくるものです。
制度融資の注意点
一つ目は、上記のように人気のない融資枠が小さいような制度融資になりますと金融機関の担当者も内容を理解していない場合が多いです。
そうなりますと、その制度融資の保証枠の取り扱いをよく知らないといったことになっていることになりえます。
信用保証協会の保証枠は、一般枠、特別枠、特別枠の特別枠と3段階の構造となっています。
セーフティネット保証は、特別枠に該当しますし、危機関連保証は、特別枠の特別枠に該当します。
この制度融資が上記のどの保証枠に当てはまるのか、それとも全く別枠なのか、わからないとこんなことも起こりえます。
A銀行にはセーフティネットで申込、B銀行には制度融資で申込、ですが保証協会では、セーフティネットも制度融資も特別枠として同一枠でみていました。
結局のところ真水額は同じで、あとは銀行間の融資額の取り合いとなってしまいます。
二つ目は、制度融資は、口数の上限があります。
これは各市区町村によって異なります。だいたいは2口だと思ってもらって大丈夫です。
三つ目は、借換えです。
借換えの方法は大きく分けて二つあります。
一つ目は、日本政策金融公庫でもやっていますが、既存の融資債務に書類上だけ借換えをする方法です。
真水を補給してお仕舞です。
二つ目は、新発の融資実行前に一旦自己資金で完済しないと新発の融資が受けれない方法です。
制度融資は、後者のタイプが多いイメージです。
ですので、手許資金がない会社は注意しないといけないです。