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収益不動産 2020.04.06
  • 収益不動産の事業計画の作り方と各指標の見方

収益不動産の場合は、投資実行時にその投資が勝ちなのか負けなのかのあらかたが決まってしまいます。

ですので、今日は、収益不動産の事業計画の考え方について説明します。

 

事業計画の入口から出口

収益不動産は、いかに精度の高い事業計画をつくっていくかがポイントとなってきます。

重要となってくるのが家賃収入の見積もりです。

家賃収入の目標は、建築から20年までの物件で入居率90%で計算し、それ以降の物件で入居率80%で計算します。

一室の場合ですと、1年間で入退去されてしまいますと退去、現状回復、入居募集、入居まで最低でも2月は見た方がいいです。

そうなりますと、10月(12月▲2月)/12月ですので入居率83%まで下落してしまいます。

家賃は、新築から3年までは、割高でとれてその後、築年数の経過によって値段が下がっていきます。

家賃の下落幅は1%で計算しておけば十分です。

固定費関係は、PMフィーが家賃の5%、火災保険料、固定資産税、支払利息といったところでしょうか。

あとは、一棟物ですと10年に一度は外壁の塗装、屋上防水といった大規模修繕の見積もりも計画にいれておきます。

区分物ですと管理会社がしっかりしているところでしたら大規模修繕計画を策定しています。

事業計画の最後は、その収益不動産をどう処分するかも検討しておく必要があります。

一棟物でしたら建物付で販売するのか、土地にして販売するのかといったところです。

区分でしたら再販売が現実的です。

再販売手法としては、入居者さんがおられた状態で販売するオーナーチェンジや内装を綺麗にして実需で販売する、ないしは最低限の修繕で投資用で販売するといったところでしょうか。

一棟物でも区分でもいえるところは、将来も値段がついて売れるところに投資しないと出口が迎えられないということです。

 

事業計画の指標

その事業計画が投資として成り立っているのかどうかという指標を紹介します。

見方としては、収益性と資金計画性です。

収益性の指標としては、DSCRとイールドギャップです。

DSCRは、デッドサービスカバーレシオの略です。これは、年間返済額と税後の手残りキャッシュの比率をさします。

この指標は、金融機関が大切にするものであり120%の目安にしています。

120%ということは、年間の返済が1000万円ですと手残り1200万円ということです。

この指標が100%未満ですと返済が追い付かずオーナーの給与や貯金を取り崩して借入金の返済をしていることになります。

この120%という数値に近づける方法としては、自己資金を多くいれる、返済期間を延ばすといったものです。

自己資金を多くいれすぎると、よく資金が寝てしまうといいます。

税後の手残りキャッシュ▲返済した金額が自己資金の返済になります。

一つの指標として10年以内に自己資金を投資から回収する、3年以内だと優秀と言われています。

ここで注意しないといけないのは、返済期間を延ばしすぎて手残りキャッシュが増える場合です。

イールドギャップは、その不動産の利回りと金利の差額のことをいいます。

不動産の利回りが悪かったり(=高値掴みした、入居が悪い等)、金利が高い(=金利は、各金融機関やノンバンクで異なります)との差額が生まれなくなります。

そうなりますと収益性の悪い不動産となり借入が多すぎてしまうと上述のDSCRが悪化してしまいます。

イールドギャップの目線は、6%欲しいと言われています。

イールドギャップがでない不動産は、相当な自己資金が必要な不動産といえます。