業績が急激に悪化した場合に、金融機関から求められる資料をリストアップします。
租税公課関係
租税公課とは、税や社会保険といった費目の総称です。
金融機関が、債務者に求める資料としてポピュラーなのが租税の滞納がないことを証明する書類です。
この書類を納税証明書といいます。
そのなかでも、その3の3という書類を求められます。
その3の3は、法人税と消費税(地方消費税を含む)の納税が完納されていることを証明する書類です。
消費税を分納される債務者さんは、多いです。
消費税を分納していると、この証明書に未納がある旨が記載されます。
ちなみに、その3の3以外に、その3という書類もあります。
債務者さんは、金融機関に、その3の3なのか、それともその3なのか念を押して聞いた方がいいです。
間違った方の書類を提出すると、面倒なことに再度、税務署にとりにいくはめになります。
危ない会社になればなるほど、他の書類も用意を求められます。
その代表例として社会保険の未納がない旨を証明する書類です。
その書類は、社会保険納入証明書といい日本年金機構で取得できます。
危ない会社は、従業員さんの社会保険をそもそも未加入というところも多いですが…
これらの書類を求められるのは、債務者にデフォルトが起こったときの債権の優先劣後を確認したいからです。
租税債権は、一般債権に優先して弁済をうけれます。
ですので租税債権に未納が生じている債務者は、融資対象となりえないのです。
保証協会やオリックスといった保証を融資に付す場合は、保証会社がこれらの資料を求める場合があります。
財務関係
財務関係の書類は、通常の会社だと試算表と借入明細書がマストです。
そこに産業に応じて在庫一覧表や工事受注明細書、部門別PLを求められます。
資金繰りがよめない会社や手許資金が少ない会社には、資金繰り表を求められます。
危ない会社になっていくと推移PLといった月のPLを輪切りにした資料を求められるようになります。
この資料は、経費を飛ばしたりしているのが一発でバレてしまいます。
契約書関係
危ない会社の場合は、売上に係る契約書の原資資料を求められます。
これはその会社が本当に売上が入る見込みがあるのかを金融機関がチェックしたいのだと思います。
それと前期の契約書をみて売上の季節指数を検証していきます。
今後、売上が季節指数で伸びていくなら融資対象となるのでしょう。