歴史がある会社や事業規模の大きな会社は、本業以外に収益目的の不動産を保有されている場合が多いです。
この収益目的の不動産の金利の実務について説明します。
収益目的の不動産の適正な金利水準
収益不動産は、極論を言いますと低い金利で資金を調達して、それを安定的な不動産賃貸収入という金利に似た性質の収益をもって運用します。
ですので、表面利回り△調達金利のスプレッドが儲けとなります。
このスプレッドをイールドギャップといいます。
プロの不動産業者は、イールドギャップの一つの指標を7%以上とみます。
地方にいけばもっとあがります。
イールドギャップを上げる方法は、3つあります。家賃収入の改定、固定費の改善、金利の見直しです。
不動産業者の収益目的の不動産の金利水準をみていますと信用金庫、信用組合であっても2%を切る水準で資金付けしています。
当然、その会社の財務内容や担保不動産によって金利は変動します。
金利を下げる方法
上記で説明した通り収益目的の不動産は、調達金利が運用の肝となります。
では、どのようにして金利を下げていけばいいでしょうか。
大きくわけて3つの手法があります。金利の見直し交渉、借換え、中小公庫の活用です。
金利の見直し交渉は、約定弁済が進むにつれて融資自体の回収リスクが減少します。これは建物は減価しても土地は減価しないという特質をもっているからです。
ですので、ある程度の返済実績を積んでから金利の見直し交渉すべきです。
当然、金利を見直してください。といっても拒否されるだけです。ですので、預金を置いておく、全額弁済できる、といった交渉カードをもっておかないとダメです。
借換えです。他行から借換えにより金利を下げる方法です。これをすると融資先から出入り禁止になる可能性があるのでかじ取りは慎重にすべきです。
中小公庫の活用は、レジ以外の不動産を長期保有でしか利用できないですが民間よりもはるかに金利水準が低く、かつ固定であり、耐用年数オーバーの提案もしてくれます。
公庫は、民間銀行の借換え資金の検討がダメで、かつ、民間との協調融資が必要となるケースが多いです。ですので、収益不動産を購入するときに検討すべきレンダーです。