多額の役員貸付金がある会社の貸付金を消す手法及び金融機関の融資審査について説明します。
なぜ、役員貸付金がでてくるのか
役員貸付金が決算書にでてくるパターンは、主な原因は3パターンです。
一つ目は、代表者等の役員が会社の金を使い込んだ場合です。
役員が会社にお金を返すあてがあるなら貸付ですが、返すあてがない場合は役員賞与にあたる行為です。
返すあてがない場合は税務上も役員賞与と認定される可能性が高いです。
二つ目は、税務調査で法人の経費でなく役員への貸付と認定された場合です。
三つ目は、税理士、公認会計士が勝手に処理している場合です。
激安会計事務所で、あるあるのパターンです。
金融機関の役員貸付金に関する評価の仕方
役員貸付金が決算書にでてくると金融機関の印象が悪いのは周知の事実です。
金融機関からお金を借りている場合は、金融機関のお金が法人から代表者等の役員に転貸しされたとみられるからです。
金融機関の役員貸付金の評価の仕方は、代表者等の役員が返すあてがないとしたら純資産価額からマイナスしておしまいです。
金融機関には、返済プランを説明したら継続支援はしてくれます。
ただ、資金使途フリーの運転資金融資の審査は厳しくなると考えてもらって大丈夫です。
役員貸付金の返済プランの類型
役員貸付金の決算書からの返済プランは、4種類あります。
1つ目は、オーソドックスな役員給与を増加させて弁済してもらう方法です。
2つ目は、役員で生命保険の契約者貸付を利用して、法人に一括弁済して、その後、役員給与の増加で保険会社にお金を返済する方法です。
3つ目は、純資産額が多きい会社ですと自己株式の取得として処理します。
自己株式の取得は、配当所得として扱われるので多額の所得税課税がされます。
4つ目は、退職金で役員貸付金を処理します。税務は、実質で退職したか否かを判断していきます。
役員貸付金の放置と税務調査
認定賞与
役員貸付金を放置していると税務調査時に賞与認定されます。
認定賞与対策
役員貸付が認定賞与にならないためには、下記が重要です。
①会社との金銭消費貸借契約を結ぶ
②上記①に従って返済を進める