築古の地方収益不動産を投資対象とする場合のファイナンスの目線を説明します。
地方都市にある不動産へのローン付けのイメージ
地方都市にある不動産は、東京の不動産と比較しても利回りがいいため人気といえます。
人気があるといっても融資をする金融機関を探さないと事業がはじまらないです。
金融機関は、基本的には支店網があるエリアにしか融資をしないです。
そこに債務者とその金融機関が、いつでも連絡がとれるようなしておく必要があります。
ですので、地方都市でも対応可能な全国対応の金融機関は、メガバンク、政府系金融機関及び特殊な民間金融機関となっていきます。
具体例をいいますと、東京に在住の人が北海道の不動産を購入したい場合は、以下の金融機関への融資打診となります。
メガバンク、政府系金融機関、北海道と東京に支店がある民間金融機関です。
築古不動産の資金繰りの目線
築古不動産、特に税法上の耐用年数をオーバーしている不動産は、基本的に建物価額が0円に近い金額になります。
建物の減価償却費が欲しいために、建物価額を大きくして売買契約を結ぶオーナーもいます。
ですが、裁判例をみていますと、あまりにも不合理な土地と建物の按分は税務署長が合理的な土地と建物の按分に直せる裁判例もあります。
裁判例では、固定資産評価額で建物と土地の価額を按分することが判事されていましたので、固定資産評価額での土地と建物の按分が税務リスクが低い按分となるといえます。
ですので、賃貸経営中に建物の減価償却費がとれないことからデッドクロス(減価償却<借入弁済)という状態になります。
こうなりますと減価償却費が無いことから賃貸経営中の利益が大きくなることから税負担が非常に大きくなってしまいます。
他方、返済期間を長くすれば毎年の借入金の約定弁済額が少なくなるという考え方もあります。
ですが、金融実務をみていますと建物が耐用年数越えとなると返済期間がMAXでも10年という金融機関が多いです。
MAXというのは、その建物の傷み具合や修繕状況によっては7年になったりもするということです。
このように耐用年数越えの建物の不動産は、法人税の支払いが大きいため税後キャッシュが少ないのに、追い打ちをかけるように借入弁済が大きいため非常に資金繰りがきつくなってきます。
事業計画の時点で借入金の返済後の手残りがでない不動産賃貸業の経営は破綻しています。
そうならないためにも築古の不動産経営は、自己資金をいれて賃貸経営中の資金繰りを楽にすることが大切といえます。
築古不動産のうまみ
地方にある築古不動産は、東京にある収益不動産よりも利回りがよいです。
それに返済期間が非常に短いです。
利回りがいいにも関わらず不動産の運営中の手残りは、税の支払いと返済によって少ないです。
ですが、不動産を買った時点で、ほぼ土地をかったものと考えられるため値下がりしずらいといえます。
さらに返済がドンドン進んでいくことから返済分だけ貯金しているともいえます。
その不動産を販売したときに、大きな手残りができます。