地方物件を保有されている大家さんの融資実務を説明します。
地方物件を保有している場合の金融上の注意点
新幹線が停車するエリアや地方の政令指定都市の不動産は、10%~といったような高利回り物件が多いです。
ひと昔までは、投資用不動産に対するローン審査が激アマだったことから高利回り+金利3%位といったような投資が流行っていました。
確かに、この地方の不動産だけ保有していて順調に賃貸経営されている場合は、利鞘が抜けるため儲かるドル箱といえます。
ですが、不動産を2棟、3棟と買い増しを検討するときにこの地方にある不動産は金融上どのようなデメリットがあるかあまりしられていません。
ですので、紹介します。
はじめにですが、地方物件を保有している場合は、地方銀行からの融資が門前払いされる可能性が非常に高くなります。
例えば、京都在住のAさんが、北海道にある不動産Bをもっている場合です。
このAさんが、不動産を買い増ししたいために京都の地場銀行Cに融資を申込ました。
C行が、Aさんの財務状況を判断するとき、この北海道にある不動産Bの担保評価をするわけです。
そのときの担保評価は、0円です。さらに負債は、きちんと残高債務をカウントします。
ですので、Aさんの財務状況を大幅な債務超過と判断します。
結果として、Aさんは、C行から融資を謝絶されることとなります。
このようにC行が担保評価0円と判断した理由は、C行のテリトリーとしている場所以外の不動産を担保としてみることができないからです。
これは地方銀行のほかにも地域密着の信用金庫や信用組合にも当てはまっていえることです。
あとメガバンクも政令指定都市から60キロ以上離れているような不動産は、担保としてみてくれない可能性があります。
このAさんが北海道にある不動産Bを持ち続けて買い増しの融資をうける方法は下記のとおりとなります。
一つ目は、全国対応のメガバンク。
二つ目は、全国対応の地方銀行。
三つ目は、たまたま債務者と不動産の所在するエリアに支店が銀行。
共同担保の考え方
共同担保とは、今回の融資の目的とする担保不動産だけでは融資の保全が満足がいかない場合に他の不動産を担保に差し入れることをいいます。
共同担保に多いのは、現在すんでいる自宅、親の実家、他の投資用不動産といったものがあげられます。
このような共同担保にする不動産であったとしても上記①のようにその銀行の営業テリトリーにない不動産は、担保としてみられない可能性があります。
全国展開している金融機関は、あまりにも僻地でなかったら担保として評価してくれます。