会社単位で売り買いするようなオーナーチェンジ型のM&Aがおこなわれるときの融資の実務について説明します。
オーナーチェンジに対する金融機関の心証
売買される会社に融資している金融機関にとって株式の売買によるM&Aについて、あまり良い印象がないようです。
その理由としては、大きく3つあると考えられます。
1つ目は、会社の株式の売買に伴い代表取締役や本店所在地がかわってしますため事務手続きが面倒です。
2つ目は、買主の会社の財務内容をチェックする必要があるため面倒です。
3つ目は、買主の財務方針によって繰上弁済されてしまい貸付残高が減少してしまう可能性があります。
不動産等の担保付ローン
銀行ローンに担保をもとめられる場合はよくあります。
担保は、不動産、動産、質権、保証協会の保証といったところがおおいです。
このような担保付ローンは、M&Aしたときにどうなるのでしょうか。
答えは、M&Aしたからといって担保外しにならないです。
債権の保全とM&Aは別論点です。
ですので、借換えをして担保外しすることが重要となってきます。
連帯保証人
一部の金融機関については債権の保全に連帯保証人を求められないですが、原則として日本の法人融資の場合は、代表者の連帯保証が求められます。
M&Aしてオーナーチェンジしたときに、融資債務にくっついている連帯保証は、どうなるのでしょうか。
答えは、上記②と同じで、その債権にくっついた連帯保証は外れないです。
ですので、借換えや繰上弁済といった手法を用いて連帯保証を外すのが一般的です。