新規の金融機関と与信取引をするときの注意点を説明します。
財務内容と業種
新規でも与信取引につながる可能性が高い財務内容は、次のとおりです。
イ 増収増益こと
ロ 債務償還年数10年以内こと
ハ 修正後の純資産額が厚いこと(業種にもよりますが自己資本比率10%は欲しいです。)
二 資産の部に回収可能性の見込めない貸付金等がないこと
とくに直近の決算書は黒字であり、かつ、資産超過でないと新規の金融機関との取引は、ハードルが高いと考えた方がいいです。
要するに、返済が見込めそうな先ということです。
逆に、利益がうすくて債務償還年数が10年に納まっていなかったり、資本欠損の会社だと新規の金融機関を増やすのは一苦労となります。
業種と資金使途
業種でNGという業種もあります。
特に風営法適用業種や斜陽産業がこれにあたります。
資金使途は、重要となってきます。
その融資した金は、何に使うの?ということです。
よくいわれるのは、飲食業等の日銭商売は運転資金が必要ないといわれますが、日銭商売も業績がよければ融資審査の土台にのります。
ですが、業績がよくても運転資金の審査が非常に厳しい業種があります。
それは不動産業、建築業です。
これらの産業は、資金使途を明確にしておかないと新規での融資審査は通りづらいといえます。
プロテクト
プロテクトは、銀行の融資につける保証や担保のことをいいます。
上述のように不動産業、建築業は、融資審査が非常に厳しい業種であります。
ですが、このプロテクトを融資にふすことによって融資審査は格段に緩やかになります。
ですので、新規の金融機関を増やすときは、どのようなプロテクトが自社にあるのか確認しておくことが重要となります。
保証については、保証会社に確認することでできます。
担保については、決算書の資産の部をみればわかります。売掛金、商品在庫、不動産、有価証券、敷金といった換金できるものです。
質問内容と徴求資料
新規の金融機関は、はじめに商流を理解しようとします。
ですので、売上に関する質問がほとんどになります。
とくに、どの部門で何%の売上があるのかということを気にされます。
徴求資料については、以下の資料があれば十分です。
マストは、登記簿謄本、定款、会社案内、社長履歴書、許認可、社長免許証、決算書3期分、法人税申告書3期分、勘定科目内訳書3期分、直近試算表、借入明細書です。
あとは業種に応じて必要資料が追加で求められます。
お金に困ってそうな会社ですと、納税証明書その3の3も求められます。財務内容がいいと求められないです。