嫌悪施設が収益不動産の近辺にある場合の融資の実務を説明します。
嫌悪施設とは
嫌悪施設とは、明確な定義はないです。
ただ、公益財団法人不動産流通センターは、嫌悪施設の例示をあげています。
それによれば以下のような施設となっております。
高速道路等の主要道路、飛行場、鉄道、地下軌道、航空基地、大型車両出入りの物流施設、工場、下水道処理場、ごみ焼却場、養豚・養鶏場、火葬場、ガスタンク、ガソリンスタンド、高圧設鉄塔、危険物取扱工場、危険物貯蔵施設、暴力団事務所、墓地、刑務所、風俗店、葬儀場等です。
要するに、うるさい、煙、悪臭、危険、心理的な忌避がある施設です。
融資が嫌がれる嫌悪施設
上記の例示の中で明確に融資に対して評価額が伸びない、融資が謝絶される傾向にある施設は、刑務所、暴力団事務所、風俗店です。
刑務所は、銀行が嫌がります。地域の事情に精通している銀行員は、住所を聞いただけで取り扱い不可といってくるものです。ノンバンクは要相談です。
暴力団事務所は、入居者になっている場合は絶対NGであり、不動産の近くにある場合もNGというところが多いです。これは、銀行のみならずノンバンクも含みます。
風俗店も暴力団と同じです。ただ、風俗店といっても、ピンサロ等の性風俗店やキャバちゃん等の風俗店をいいます。
これらがなぜ融資にネガティブかといいますと債権がデフォルトしたときに債権回収が困難だからという理由があげられます。
不動産の価格に与える影響
不動産の価格は、ローンがついてこそ値段があがるものです。
現に違反物件は、相場の半値前後で取引されるのはローンがつかないためです。
ですので、相場より安い価格で売りにだされている不動産は、なぜ安いのかを徹底的に調査しせず売買契約をしてしますと、手付流れや多額の違約金が生じてしまいます。