現況用途はレジデンス、建築確認をとった用途は事務所という不動産の融資付けの実務を説明します。
用途違反物件の見破り方のポイント
用途違反物件の見破り方は、物件概要書、台帳記載事項証明書、登記簿謄本を利用します。
物件概要書には、その不動産の概要が記載されています。
用途違反物件は、その取引価格が近隣相場よりも異常に安いため表面利回りがいいです。
売主はなぜ、そんなに安く売るかはいってくれないものです。
表面利回りで相場の150%以上だと用途違法だと疑います。
留意事項欄に用途違反の文言が記載されている場合もあります。
次に、台帳記載事項証明書をみていきます。
台帳記載事項証明書には、検査済証を取得したか否かが記載されています。
用途違反物件は、建築途中で用途を変えている場合がほとんどです。
事務所仕様の方がレジ仕様よりも建築確認を取りやすいため建築確認は事務所でとったという感じです。
なので検査済証を取得できないため未取得となっています。
検査済証をとった後に用途を変更すると追加コストが生じるのでそんなことはしないです。
登記簿謄本の見方は、2つあります。
1つ目は登記簿謄本の甲欄①種類のところです。
レジならば共同住宅、事務所ならば事務所、併用ならば事務所・共同住宅と登記されています。これは現況で登記されます。
なので台帳記載証明書の主要用途と照らし合わせてチェックします。
2つ目は、謄本の乙欄でチェックします。
用途違反の場合は銀行が融資をしないです。
注意が必要なのは新築は銀行が融資をしています。
大家さんが勝手に使用をかえたことを銀行に黙っていることもあります。
ですので過去の抵当権を設定している債権者をみていきノンバンクが目立つと用途違反を疑います。
投資目的の不動産は、わざわざ金利の高いノンバンクからローンはひかないです。
融資付けのポイント
上記で説明したとおり銀行は、用途違反といった違法物件に融資をしないです。それはプロジェクトであろうと投資目的の長期ローンであろうと同じです。
ですので、プロジェクトの出口戦略はノンバンクのレート感で投資家が購入するのか、それとも自己資金で購入できる人がいるのかがポイントとなります。
ノンバンクを利用してのプロジェクトファイナンスの融資目線は次の通りです。
建物評価は0円。土地評価は土地の評価△建物の解体コスト。となります。
ですので自己資金の負担が大きくなる傾向にあります。
最後に余談ですが、違法物件で火事等が起こると大家さんの責任は重たいです。