プロジェクトファイナンスでよくあるアクシデントは決済日の2週間前に銀行から融資謝絶をされて資金の都合がたたれることです。
梯子を外された後の資金付けの思考の仕方
プロジェクトファイナンスの世界では銀行からの融資の梯子外しは日常茶飯事のことです。
だからといって売主や仲介に「銀行に梯子を外され決済できません。」なんて言えないものです。
特に売主や仲介が上場会社や大手では言えないです。
今後の取引がなくなる可能性があるからです。
ですので社長としては、プロジェクトの収支よりも資金付けに躍起になる羽目になります。
金利15%であっても資金付けをしないといけないと考えますし、共同事業で粗利益の半分を金種に支払ってでも決済させようと考えます。
では、このような最悪の事態を乗り切る対応方法はどうすべきでしょうか。
ノンバンクの活用のポイント
最初は、決済日までに着金が間に合うノンバンクを選定をします。
選定方法は、決済日までに着金が間に合うことが絶対条件です。
ポイントは、ノンバンクも月末になると忙しくなるので、そもそも取り上げ不可という場合もあります。
ノンバンクも初回取引は申込から着金まで3週間というところが多いです。
ですので、できる限り多くのノンバンクと取引しておいて常にスピード着金を心掛けることが大切です。
次は、不動産のエリア、クラス、ローンアマウントで選定を続けます。
エリアでNGというノンバンクも結構多いです。
クラスは、一棟物NG、商業NG、ソシアルNGといった感じがあります。
ローンアマウントは、金額が小さすぎると手間倒れになるからNGといったところです。1,000万円未満NG、1億円未満NGといったバーが存在します。
ここまですると候補先となるノンバンクも数社に絞られます。
なぜ、一斉に融資打診をしないのか?という疑問があると思います。
一斉打診をしすぎると出入り禁止になる可能性があるからだけです。
次に担保評価でさらに選定をしていきます。
ノンバンクの担保評価は実に様々です。
実勢で評価するが対応エリアが狭いところ、保守的に収益還元と積算の折衷でやるがエリアが広いところ、利子よりも家賃が大きければ満額だすところ、債務者の財務内容で下駄をはかしてくれるところ、自己資金10%でいいところです。
各ノンバンクの担保評価の癖があります。
これは弊社が不動産を担保評価して、どこが一番伸びそうか検討して、そこに融資打診をします。
ブリッジファイナンスの検討
ブリッジファイナンスは、日本語に直すと繋ぎ融資です。
これを検討するときは、担保評価が伸びない不動産で相当な自己資金が必要となる不動産です。
多額の自己資金が必要となる不動産の例は、入居率の低い不動産です。
こんなときは、2か月後に〇〇の不動産が売却できて、その粗利益が△△億円でる。その粗利益を返済原資にしたい。と融資の返済方法を組みます。
融資は、結局のところどうやって返済するのかが重要になります。
担保評価が伸びない不動産は、債権がデフォルトしたとき担保処分をしたときの返済原資が××円だから、それしか貸せないという理屈です。
ですので、返済原資を別に作ると話がかわってくるというものです。
最後の決断
融資が伸びず自己資金を足しても決済できない事態があります。
これは不動産業特有の事業リスクです。
社長の決断は3パターンあります。
1つ目は、決済を延期を売主、仲介へのお願いする方法です。
2つ目は、売買契約書に記載された違約金を支払って契約解除をする方法です。
決済金額の20%の違約金が多いです。
3つ目は、雲隠れです。
売主に訴訟を起こされている間に資金を作る方法です。
このやり方は、夜逃げになっている会社が多いです。
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